Apple、台湾に開発拠点新設、脱シャープ、脱JDIへ動く

先週、シャープの液晶事業をジャパンディスプレイが買収というニュースが流れてましたが、受け皿となるジャパンディスプレイも快走中かというと、そうでもないです。


ジャパンディスプレイの売上高

為替の追い風もあり、売上高は順調に伸びてます
3Q15では3000億円の大台突破を見込んでます。

左軸が売上高（億円）　右軸は為替




ジャパンディスプレイの営業利益

が、利益の方は相当渋い感じです。液晶事業の利益が渋いのはジャパンディスプレイに限らず、どこもそうなのですが。

（億円）




工場の建設費を肩代わり

設備投資余力の乏しいジャパンディスプレイに代わって、Appleが投資資金を融通するあたりはかつてシャープでも見た光景です。

　→　ジャパンディスプレイ、石川に新工場　アップルが投資大半負担 - 日経新聞



脱サムスン、脱日本勢へと動くApple

Appleは一方で、脱シャープ、脱JDIの動きも見せてます。台湾に自前の開発拠点を新設し、台湾系メーカーを手足として使う事を目論んでいるようです。

アップルは、ディスプレイ供給におけるLGやシャープ、JDIおよびサムスンへの依存度を低減することを計画しており、この新ディスプレイの製造は台湾AU Optronics（AUO）や台湾Innoluxといった上述の4社よりも小規模な企業へと外注されることになる見込みとのことです。
　→　米アップル、新たな液晶ディスプレイ技術を秘密裏に開発中？ | GGSOKU - ガジェット速報

液晶は歩留まりの問題が難しく、目論見通りいくかどうかわかりませんが、シャープ工場内にApple出島を設けて改善手法を見てきたであろうApple。一応の勝算あっての動きなのでしょう。


インセル技術導入時にもAppleが自前の技術を使ったのではないかと言われてましたが、今後もただ供給を受けるだけでなく、自前のデバイス開発に資金を投入していくようです。

　→　蹴茶: iPhone 5 のインセル型液晶パネルはApple自身が設計？ [11.21]