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Androidはただの携帯OSではなく、将来の仮想空間OSの下準備?

◇ セカンドライフが波に乗れなかった理由を考える

すっかり新聞で見かけることもなくなったセカンドライフの検証記事。
 → 「セカンドライフ」はなぜつまらない

セカンドライフが持続性のあるブームになれなかったのは、現実との接点が希薄すぎたからではないでしょうか。

携帯は言うまでもないですが、SNSも気軽に同窓の現状を知りえたり、趣味の情報交換の場として現実にリターンがあり、それが人を引きつけます。逆に同窓の現状など知る必要もないし、情報収集は自分一人で検索した方が早いという人にはSNSはまどろっこしいだけですが。

それに対しセカンドライフは現実社会への反映が限りなくゼロに近い。どちらかというとゲームに近い(ゲームとしては出来が残念すぎ)。ハードや操作の敷居が高く、出会う人はグルーピングされておらず変態まで混じる始末で、気軽に情報収集どころではありません。

仮想空間の肝はやはり現実とのリンクにあり、それは電脳コイルの世界です。
Googleは天才と変人の集合体のようですから、そういったことを大まじめに取り組んでいる可能性は十分あります。


◇ すべてをデータ化し、仮想空間を構築?

Googleは図書館の本から町中の風景まであらゆるものをデータ化していっていますが、それらデータの統合されたものとして仮想空間が考えられます。ストリートビューなどはその最たる取り組みで、単に便利な地図を作りたいわけではないと思います。
 → Future of Internet Search: Mobile version « petitinvention
 → CloseBox and OpenPod > セカイカメラ
 → CloseBox and OpenPod > Androidを電脳メガネにする「遠近」ってのもある


ストリートビューの画像データをもとに、カメラに映る風景を検索し位置を特定。メガネやPDAを通して情報を投影すれば、そこは立派な現実にリンクした仮想空間です。あとはユーザーの知りたい地図情報や口コミ情報に混じる形で広告を投影すれば、新しい広告配信の形ができあがります。社会すべてが広告に使えるというGoogleにとってはウハウハな世界です。

ストリートビューのみならず商品画像をもとにすれば、棚にならぶ商品の横に仕様や市場価格を表示する事も可能でしょう。店頭価格よりそっちが安ければその場で注文を取り、Google Checkoutで決済させてしまうことも考えられます。

オンラインアルバムやアドレス帳を元にすれば、以前あった人の名前や肩書き、いつごろ会ったかを相手と話しながら知ることもできるでしょう。自らのデータベースとGoogleのデータベースをリンクさせた仮想空間を作ろうと思えば作れるところまで来ています。あとは必要なワイヤレス帯域を確保するためのホワイトスペースの解放を迫り、ハードウェアデバイスの進化を待つだけです。
 → FCCがホワイトスペース開放を協議へ,GoogleとMSは歓迎のコメント:ITpro


◇ 電脳化、サイボーグ化の可能性

その先には人工網膜や、電脳化(海馬チップ)などの可能性もあります。「そこまでやるか」という気持ちになりますが、50年前の日本人にいまの情報社会を見せたとしたら同様の感想を抱くのかもしれません。

私たちの孫の時代には人間のサイボーグ化の是非が問われているかもしれませんね。
(真っ先に軍需でそういった人たちが作られそうですが...)


 → 蹴茶: セカンドライフは来ない、しかし仮想世界はポスト携帯化するかも 2008.3.1
 → 蹴茶: AR技術が商品化される 2008.7.19