17
02

太陽光発電パネル(ソーラーパネル)の劣化するのか?

※ 2011/06/15 追記

ソーラーパネルの不具合について検証記事を見つけたので追記しておきます。
 → ソーラー・パネルだって故障や不具合が起こります! | 太陽生活ドットコム

メーカーによってかなりの差がありますが、パワコンだけでなくパネルにも不具合が発生しています。
記事ではパネルの配線(ハンダ接続)に問題があった事例が紹介されています。


---------------------------------------------------------------------

よく「ソーラーパネルは劣化する」と巷の噂的に言われますがあれは本当なんでしょうか。
いつもの戯れ調査メモです。

Wikipeidaにダイレクトな話が載ってるのでこれで終わってしまいそうですが、あえてスルーして。
 → 経年劣化と寿命

メーカーの主張としては以下の通り。

シャープ
期待寿命については太陽電池モジュールで約20年以上です。その他の機器は設計寿命が10年程度の部品を使用しております。

三洋電機
一般に、平均して20年以上の期待寿命がありますが、設置場所や設置条件によって異なります。

京セラ
京セラの製品の設計寿命(※1)は、太陽電池モジュールが平均して20年以上(※2)、パワーコンディショナなどの周辺機器が15年です。


大手メーカーは差し障りのないよう、大ざっぱな話しか書いてません。
フランチャイズの施工企業のページにはもうちょっと突っ込んだ話が載ってます。

京セラソーラーFC福島
太陽電池寿命は30年以上と言われています。(設計寿命で20年です)
設置条件にもよりますが、その間の変換効率の低下は数%程度で、 その後突然に大きく変換効率が低下することもありません。
(一例ですが、国内で実際に使用されている20年前のものでも効率ダウンは3~4%です)
また、パワーコンディショナが設計寿命15年で、 その他機器・ラック・配線などは設計寿命20年となっております。


パワコンが15年もつかというと、そんなことねーよ!という話もネットでは多かったです。パワコンは太陽電池が作った直流を交流に変える装置ですが、自作ユーザーならお馴染みのPC電源は逆に交流から直流を作っています。

一緒にするのは無理がありそうですが、「PC電源が15年もつよ!」と言われたら「本当かよ」と思わざるを得ませんが、「(安物でなければ)無理させなければ平均10年もつよ」と言われたら納得しますね。なんにせよパワコンはPC電源と同様、消耗品で一番金を喰うパーツのようです。

PC電源 我が家のサーバー君とその電源

当たり前ですが、水力発電や火力発電のタービンに較べればソーラーパネルは超新人で実績の話は少なく、おそらく理論やラボレベルの話が多いはずです。

実証的な話として、実際に20年経ったソーラーパネルが市場に出回り、話題になったことがあります。
 → 20年前の中古太陽光発電パネルに保証をつけて販売、ネクストエナジー|日経BP
 → いなまい・ドットコム 太陽光発電パネルリユース販売 [伊那毎日新聞]

太陽光パネルは製品寿命が長い。期待年数で20年、製品によっては40~50年は使えるという。一方、住宅は30年程度で建て替えることも多い。伊藤社長は、十分に使えるパネルが住宅の建て替えによって廃棄されている現状を目の当たりにしてきた。
 → ネクストエナジー・アンド・リソース(太陽光発電装置のリサイクル):日経ビジネスオンライン



この中古パネルを実際に買われた方の話が以下ページに載ってます。
 → ソーラー発電 準備開始

再販したネクストエナジーの公称値だと、一番劣化しているパネルで新品性能の85%程度。
その後実際に運用されていますが、順調に出力している模様。

上のサイト主の方も言われていますが、おそらく劣化で問題になるのは素子そのものではなく、パッケージや周辺の金具、そしてパワーコンディショナーなど周辺がへたる方が先です。

年々劣化対策も施されており、いま作られているパネルはおそらく耐久面では20年前の中古パネルをさらに上回る可能性は高いと思われます。

なので正しくは
「ソーラーパネル自体は劣化しないが、周辺が劣化して金喰うかもね」
というのが的を得ているのかもしれません。

※ただし、色素系パネルはさっさと劣化します。

各戸建ての太陽光発電を載せようなんて政策案も出ているようですが、都会だとあとからビルが建って発電量半減でエネルギー収支もペイしませんでしたとかいくらでもありそうなので、設置しなきゃ損みたいな激安プライスにしてしまうのはマズイでしょうね。


○ エネルギー・コスト収支について
そして気になっている人も多いであろう、元が取れるのかというお話。

以下参照
 → 「総合的な経済・エネルギー・環境分析に資する技術情報の整備のための研究」報告書の公表について
  報告書第2部-2に詳細が載っている。
  ちなみにシリコンウェハーのコストに占める比率は約4割。
  大増産されるので解消されると思いますが。

 → 産総研:太陽光発電研究センター 「太陽光発電のエネルギー収支」


○ 関連
 → 蹴茶: 【メモ】 太陽光や風力など再生可能エネルギー
 → 蹴茶: メモ書き ロシアの資源ナショナリズムへの耐性を高めるために 2007.3.14
 → 太陽光発電 - Google 検索