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iPad, iPhoneがFlashに対応しない理由を整理してみる
iPad発表会ではジョブズ氏がソファに深々と座ってプレゼンしてましたが、やっぱりそういう用途、ユーザーがターゲットですよね。持って出ることは主眼には置いてないのでしょう。たぶん。→ 蹴茶: iTablet 誰に買う? ※iPadでした 2010.1.27
■ iPhoneとFlashの状態をちょっと整理。
Flash非対応の理由として以前ジョブズ氏が語った「Flashは動作が遅過ぎて実用的でない」というのがあります。2008年のあの時点ではともかく現状ではGoogleのNexus Oneでサクサク動作していますし、今回のiPadでは仕様が非公開とはいえ最新を謳うApple A4チップに刷新し、性能不足ゆえに対応しないというのは説得力に乏しい気がします。
※半導体の性能は独走するIntelを除けば、製造プロセスの制限である程度横並びなので、新型のApple A4 chipがSnapdragonより大きく性能が劣るとは考えにくいところです。
→ [CNET Japan] 「iPad」はアップルブランドの「A4」チップを搭載
iTunesのAAC DRMフリー化や、広く見ればBootCampもその一環ですが、AppleはGoogleのようにオープン路線ではなくユーザーを囲い込めるのであれば極力囲い込み、包囲網にほころびが出てくれば一転オープンにうって出るという戦略を取ってきています。企業ですので営利追求の囲い込みがあって当然ですが、籠城戦を続けて失敗したソニーのウォークマンとは対照的にその舵取りは見事なものです。
→ [ASCII.jp] DRMフリー化は必然──津田氏が語る
Flash非対応がユーザー囲い込みの一環なのかというと、Flash自体がダイレクトにAppleの利益を害するものではないだけに直結しないのですが、自分の庭(Safari)に圧倒的に強い企業を入れたくないという意味ではユーザーを他の企業から囲い込んでいると言えます。
■ Flashを嫌う意図とは?
Flashを載せないのが意図的なものと仮定して、その載せない‘意図’が何なのかはハッキリしないところです。自社はOKだけど「他社が囲い込むのはダメ」というわかりやすい理由かもしれませんし、もっと純粋な想いでHTML5の普及を望んでいるのかもしれません。先日YouTubeのHTML5プレイヤーが発表されましたので、将来的にその埋め込み版が見られるようになるのかも気になるところです。
→ [ITMedia] YouTube、HTML5動画プレーヤーをテスト公開
→ 蹴茶: 新ブラウザリリースラッシュ、JavaScript高速化が脱フラッシュを後押し? 2008.9.12
YouTubeがHTML5対応
左が既存のFlashプレイヤー、右が新規のHTML5プレイヤー
Safariとは
■ AdobeのiPad対応宣言
AdobeがFlashをiPadに対応させると発表したことが話題に出ますが、あれはiPad以前からある話で、あくまでアプリとしてFlashを動かせるだけでSafariとは関係なく、NEXCO西日本のサイトで経路検索できるようになるわけではありません。Adobeがエリア内に入れないので外堀を埋めてみたというのに近いです。
→ [ASCII.jp] β版「Flash CS5」で作ったiPhoneアプリが登場
左は経路検索のFlashがアイコンのままのNEXCO西日本サイト。右はJavascriptメインで作られているソニーサイト。
■ 今後
Amazonの音楽配信など、iTunesのライバル登場がDRMフリー化の発端となったように、Android陣営の存在感が増せばFlash解禁の一助となる可能性はあります。Androidの勢い、HTML5の普及ペースなどで今後の展開が決まってきそうです。(にしてもWindows Mobileはすっかり蚊帳の外...Sevenで盛り返せるでしょうか)
→ iPhone逆転のカギ? AndroidはフルFlash搭載へ - @IT
→ 蹴茶: iPad 続報 日本語キーボード、microSIM仕様など 2010.1.28
→ 蹴茶: iPad 発表 9.7インチ IPS液晶、680g 2010.1.28