Rambusの逆襲

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がんばれMicron

普通のメモリーメーカーは、他社よりも早く最先端のメモリーを作り、市場価格が下がる前に利益を確保しようとします。ところがメモリー最大手のMicronは逆にあえて急がずコスト削減に励み、どこよりも安く作れるめどが立ってから一気に攻勢をかけるというやり方で激戦のDRAM市場を勝ち抜いてきました。

そのメモリーを安く作る能力にかけては台湾メーカーでさえかなわないとされ、「Micronが動かなければメモリーの標準は決まらない」とまで言われています。今回のRambus騒動で、このMicronがどうでるか注目が集まっていましたが、どうもRambusとの戦いを受けてたつ意欲を示しているようです。

Rambusの要求が丸々通れば、現在既にDDRを使っているビデオカードが高くなるのはもちろんのこと、さらには(CL可変の)SDRAMまで高くなってしまう可能性が出てきます。ここはぜひMicronに踏ん張って欲しいもの。がんばってぇぇ。
 → Daiki's pc-info
 → ライセンス契約成立でラムバスに10億ドルの収入?

なぜRambusがこれだけの特許を押さえているのか

Rambusがなぜにここまで強力な特許を揃えることができたのか、その謎がいつか読んだ雑誌に書いてありました。ファーストページや、EDO-RAMが現役だったころ、日本を初めとするDRAMメーカーは大容量化の技術をせっせこせっせこと開発していました。その頃、Rambus社は大容量化ではなく高速化の技術開発に注力していたために、いま現在の高速メモリーの基礎特許を押さえることに成功したというものでした。

その目の付け所の良さは特許料という形で評価されて然るべきものだと思いますが、なにぶんそのやり方が、ある程度DDRが普及しはじめた頃に「それ特許侵害です、ライセンス料ください」だったために好感を抱けという方が無理です(^^; 最初からRambusが規格を決め、ロイヤリティを頂くよと宣言していたRDRAMなら、ここまで反感を買うことはなかったでしょうに。

 

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Rambusの大反撃 DDR-RAM苦境に

製造コストも安い、ロイヤリティ(特許料)もいらないといいこと尽くしだったDDR-RAMですが、先行きの見通しが怪しくなってきました。

いち早くDDR-RAMを製品化し、DDR陣営の旗振り役だった日立がラムバス社に訴えらたのは去年のこと。日立は他のDRAMメーカーとも連携し、ラムバス社の訴えを退けようとしているという噂があり、あまり気にはしていませんでした。がしかし、ここへきて日立を置き去りにする形で東芝を初めとし、MicronやHyundaiなど大手メモリー企業はRambus社にDDRについてもロイヤリティを払う方向で話が進んでいるとのこと。

そして気になるロイヤリティはある会社の話によるとなんと5%
RDRAMの1〜2%のロイヤリティでも高いと言われていたことを考えると、べらぼうな高さです。DDRだけ消費税10%になったようなもので、5%は日本政府に、残り5%はRambus社に。独り残された日立はもし訴訟に負けると他の3倍15%ものロイヤリティを要求される模様で、この裁判に負ければ日立がDDRを作ることは実質不可能な状態に追い込まれます。

まだまだどうなるかわかりませんが、DDRがこけるとなるとAthlonの先行きも危うくなります。最初からRDRAMを想定しているWillametteと違い、今年から来年にかけて出てくるAthlonのチップセットにRDRAMを使うものはほぼ皆無の状態です。RDRAMがこければIntelがこけ、DDRがこければAMDがこける。今年後半が勝負になりそうです。
 → スピードBiztechNews
 → ラムバス社のプレスリリース(日本語)

 

Rambus社の反撃について考える

今回のどうみてもDDR側が全面的に不利なこのニュース。考えようによってはDDRの普及にも少しは役立つことがあるかもしれません。この契約によって、Rambus社にしてみればDDRRDRAMどっちが普及しても儲かるので、今までのようにRDRAMに固執する理由は無くなります。DDR陣営の東芝や、MicronにとってはRambus社の横やりを気にすることなく、大手を振ってDDRの普及をはかることができるのでは...

と良い方へ良い方へ考えてみたものの(^^; 盛り上がり始めたDDRの勢いに水を差されたのは間違いなく、SDRAMの後継は混沌としてきました。[低コスト+5%特許料]のDDR-RAM vs [高コスト+1-2%特許料]のRDRAM。日立が裁判に勝ってくれれば万事収まるのだけど = (
 → Biztech News 続報

余談になりますが、Intelと大手メモリー企業がポストRDRAMを狙って開発中の次世代メモリーですが、予定よりも約1年ほど遅れ気味だそうです。1/17の発表では2003年とあったので、2004年ごろになったのかな? その合間を埋めるため、Rambus社は1ピン当たりの転送速度を1.066bit/秒(現在は800bit/秒)に高めたRDRAMを開発中。(2001年後半?)

タイプ

製品名

バス幅 外部Mhz 有効Mhz

帯域幅

SDRAM PC100 8バイト 100 MHz 100 MHz 0.8 GB/秒
SDRAM PC133 8バイト 133 MHz 133 MHz 1.064 GB/秒
DDR-RAM PC-1600 8バイト 100 MHz 200 MHz 1.6 GB/秒
DDR-RAM PC-2100 8バイト 133 MHz 266 MHz 2.128 GB/秒
RDRAM PC600 2バイト 266 MHz 532 MHz 1.064 GB/秒
RDRAM PC700 2バイト 356 MHz 712 MHz 1.424 GB/秒
RDRAM PC800 2バイト 400 MHz 800 MHz 1.6 GB/秒
RDRAM

2バイト

2.132 GB/秒

参考:Tom's Hardware Guide

 

裁判に弱い東芝

しかし、裁判沙汰になると真っ先に名前が出てくる‘東芝’。某会社員を訴えた件といい、FDD問題で即効和解した件といい、なにかと裁判に縁のある会社です。FDD裁判のときもそうでしたが、個人相手のときは強気ですが相手が手強いと見ると即座に和解に走るクセがあるみたいですね。今回の契約でも「なぜここまで急いで判断したのか」と業界関係者から疑問視する声があがっています。もしや裁判恐怖症?
 → 日経マイクロデバイス

 

インテルにとってRDRAMは高くない

ことあるごとにRDRAMは高くつくので、企業は採用を嫌っていると書いてますが、RDRAMの旗振りであるインテルはどうなんでしょう。当たり前ですが、もしインテル自身もRambusに高いロイヤリティを払う義務があるなら、ここまで執着するわけがありません。インテルは世界中で唯一Rambus社に特許料を払う必要がない会社と言われ、さらにはRDRAMが広まればインテルにも特許料が入ると噂されています。→ All about RDRAM

インテルにとって何の利益にもならない今のSDRAM(DDRも同様)に較べれば、RDRAMの高コストは痛いどころか何ともおいしいメモリーなわけです(その特許料を負担するのは私たち)。絶対的な影響力を持つIntelだからこそできる芸当ですね。もしAMDが頑張っていなければ、今ごろマイクロソフトの次に独占禁止法の対象として選ばれていたはず(笑)

 

某社でお勤めのHさんより

国内PCメーカー内でのRDRAMの評価

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