5万9800円パソコン eMachines N2040 レビュー

2003.2.14作成開始 2.16更新

先日ツクモさんから連絡があり、巷を賑わせている格安パソコン‘eMachines’のレビュー依頼がありました。最近バタバタしてますし、スペックも正直言って惹かれなかったので最初はお断りしようかと思っていたのですが、辛辣なことを書いてもらってもOK!(^^;という条件でお引き受けしました。さてさて5万9800円パソコンの実力やいかに !?
 → PC Watch掲載のレビュー

-- スペック eMachines N2040 --
Celeron 2.0Ghz ( Northwoodコア )
メモリ DDR 128MB ( PC2100 Samsung製 )
HDD 40GB ( 5400rpm WesternDigital製 )
グラフィック Intel845G内蔵 ( 16-256MB可変 )
ドライブ CD-RW

依頼受諾から数日後、我が家に「eMachines N2040」が到着。
箱のデザインはすっきりしたもので良いのですが、横にIntelロゴのみならずUSBコネクタの標準ロゴまでがでかでかと貼ってあり、妙な感じです。初心者へのアピールなのか?

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中身は以下の通りで、驚くべきことに国内メーカーならたんとあるマニュアル類がほぼ皆無。あるのはコネクタとセットアップ方法が解説されている図一枚のみ (;^_^A アセアセ 付属ソフトウェアがほとんどないせいもあると思いますが、かなり思い切ったコスト削減策でございます。

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サイズは市販MicroATXケースと較べると、標準かやや小さい部類に入るケースだと思います。右写真の定規は30cmのものさしです。

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電源ボタンは大きくなんだかでべそみたいです(笑) キーボードは最近流行りのごちゃごちゃした特殊キーがたんと付いたタイプで、キータッチは並より少し下に思えます。タッチはデルのキーボードに似てますね。

そのデルのキーボードはまだ1年経つか経たないなのですが、最近キータッチが妙に固くなり打ちにくくなっています。このキーボードも耐久性はどうなのか不安になるところです。やはりキーボードに関しては快適さに直結するものです。5000円程度出してでも自分で探すべきだと思います。

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起動! お馴染みの壁紙にemachinesの文字が(笑)

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スタートボタンは非常にすっきりしていて、これは好感度UP。Windows基本メニューの他はe-machinesサポートページへのリンクと、スキンが使えるWinampのようなmp3プレイヤーだけです。慣れたユーザーにとってはこの方は安定しているので良いのですね。初心者さんの場合、セキュリティソフトぐらいは入っていた方が安心かもしれませんが。

 

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左がWinampのようなmp3プレイヤー。

 

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USBへは簡単にアクセス可能です

 

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マザーボードはFICのVC37

 

 

 

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重量は9.8kg

 

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手回し可能なロレッタネジ2本でOpen


FF11ベンチマーク

FF11ベンチマークは例のエラーメッセージが出て動作しませんでした。3D-Analyzeを使えば、動作させることはできると思いますが、相当に低いスコアになると思われます。

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3DMark2001SE ベンチマーク

代表的なベンチマークソフトの3DMark2001、こちらもメモリー不足なため起動時にエラーがでます。単純にメモリとしては128MBを積んでいるのですが、グラフィックメモリにいくぶんか割かれるために128MB未満になってしまいます。

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SuperPI 104万桁

1分39秒

やはりNetBurstコアはSuperPIは苦手ですね。

 

BIOS

BIOS設定画面ではビデオメモリ量の設定などが可能です。最大256MBまで割り当て可能。残念ながらオーバークロック設定は一切できないです。オーバークロックによって壊され、ユーザーサポートに負担がかかることを考えれば無くて当然なのですが...無保証を明記した上でチャレンジできれば面白かったでしょうね。CPUがオーバークロック常連のCeleron 2.0Ghzだけに惜しい。
 → http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/0919/hotrev181.htm

e-machines18.jpg 最大256MBまで割り当て可能。

 

コストパフォーマンス

2003年2月16日現在のパーツ価格から、自作とどちらが得なのか比較してみると‥‥

N2040スペック

自作するなら

CPU Celeron 2.0Ghz

1万円

メモリ 128MB

2600円

HDD 40GB 5400rpm

8500円

CD-RW

6000円

FDD

1500円

マザーボード VC37

1万3000円

ケース

6500円

キーボード

1500円

マウス

1000円

スピーカー

2000円

モデム

要らない?

Windows XP

1万3000円

N2040 5万9800円

65600円

一応、N2040の方が安くなっています。ただ「マウスやキーボードは流用できるし、OSも要らない」というような場合は自作の方がメリットが大きくなってきます。要は一から全て揃える場合、例えばセカンドマシンやファイルサーバーを作るとか、家族用のPCが欲しいといった場合にeMachinesの利点が生きてくることになります。

 

総論

動作に関しては、128MBというメモリから来る引っかかりは随時あるものの、ライトユーザーがWebやオフィス系アプリを扱っている分にはおそらく不満はでないでしょう。ただ色々なパソコンを触ってきたパワーユーザーにしてみると「やっぱり128MBじゃダメだな」と思わせる動作ではあります。とりあえずはメモリも暴落していることですし、購入後は256MBほど増設してしまいましょう。

あと最大の弱点は3D性能。グラフィックをチップセット内蔵コアに頼っているのは言うまでもなく問題なのですが、N2040にはAGPバスが存在しないためにアップグレードしようにも一部のPCIカードに限られてしまいます(参考:Radeon9000 PCI&GeForce4MX440 PCIの性能)。これに関してはマザーボードの変更という、さしてコストもかからなさそうなだけに改善して欲しい点です。
※上位モデルはAGPバスあり

まとめると、バリバリとPCを使うパワーユーザーのメインマシンとしてはお薦めできない。ただ上でも書きましたが、パワーユーザー諸氏が家族に買ってあげるPC、もしくは2台目マシンとしてはコストパフォーマンスに優れ、適しているのがeMachinesな気がします。 

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