突然パソコンが動かなくなる「ハードディスク クラッシュ」はパソコンを使う人ならば誰しもが遭遇する可能性のあるトラブルです。大切な文章やメール、写真などが見られなくなり愕然としますが、そんなときに壊れたハードディスクからデータを救出するのに使うのが「ファイナルデータ9」です。
(※ 最初に試用版を使うことをお勧めします)
類似のフリーウェアもありますが(後述)、ファイナルデータは有料だけあって使いやすいのが特徴です。壊れたHDDを繋ぎ、初期画面の 「ドライブが正常に認識できない場合」 から壊れたドライブを選択します(型番不明なら容量から判断)。
すると“ガガガガ”と音を立てつつ解析がはじまり(たいていは数分で終了)、これまで見たくても見られなかった中身が出てきます。
あとは復元したいファイルにチェックを入れて(フォルダ丸ごとでもOK)、別のHDDへ復元スタートです。右写真は復元されたオフィスのファイル。
↓このようにちゃんと開くことができます。画像もファイル名を維持したまま救出されました。
5つ星。無料ソフトで復旧できる場合もありますが、ファイル復元の手間が大幅に簡素化されることを考えると1万円の価値はあります。親類のなかで1人が持っていれば、2度3度と役立ちます。
注意点として、クラッシュが復元限界を超えていたり、未対応のフォーマットだった場合はファイナルデータでも復元できません。そのため、確認用にファイナルデータの無料お試し版が用意されています。製品版と同様、ハードディスクの中身確認、さらにファイル内の文章も部分的に見ることができます。まずは体験版で復旧の確認をしたのちに製品版を購入することをお勧めします。
⇒ 無料体験版ダウンロード
〜 ここからはファイナルデータ以外のサルベージ方法 〜
HDDがある限り、必ずクラッシュは付いて回ることから、数多くの専門業者が存在しています。重大な責任が伴うデータ復元の場合、業者委託が第一選択になると思います。
単純なエラーではなくハードディスクから異音が出続ける、いわゆる物理的にクラッシュではだいたい10万円前後かそれ以上の費用がかかります。高くは無いのでしょうが、会社が費用を出してくれるならともかく、個人的に頼むには気が引ける価格ではあります。
価格例1
価格例2
探せば色々あると思いますが、私が使ったことのある2つを紹介。
HDD Regenerator(有料)
簡単に言えばハードディスクの不良部分に“使用禁止”マークを付け、読込を避けるようにするソフトです。「これで復旧した!」というケースもあるようです。
私もレジストして有料版を持っていますが、残念ながら 3,4台で試したもののサルベージに成功したことはありません。不良の範囲によっては作業完了に数日かかることもあります。
→ HDD Regeneratorを日本語で解説されているページ
以前はメーカーサイトからISOファイルをダウンロードし、起動CDを作って使う形でしたが、最新版ではWindows上から修復するモードもあるようです。軽度の損傷であれば、ファイルを抜き出す必要もなく修復が可能かもしれません(その後のHDD交換は忘れずに)。
バージョン1.51
バージョン2.11
PhotoRec
これはファイナルデータのオープンソース的なソフトで、無料で使えるのが大きな特徴です。
→ オープンソースで無料のファイル復元ソフト「PhotoRec」 - GIGAZINE
ただ、ファイナルデータほどキッチリ復元できません。あるハードディスクではファイナルデータでは10個のエクセルファイルを復元できましたが、PhotoRecでは5つしか復元できませんでした。
もう1つやっかいなのが文字化けです。日本語の扱いを考慮していないらしく、ファイル名が意味のない文字列になってしまい、復元ファイルの中身も文字化けすることがあります。これが有料のファイナルデータとの大きな違いです。
実際に復旧させたデータ。複数のフォルダにバラバラに収納されます。