IdeaPad S10e レビュー

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 ⇒ IdeaPad S10e (Lenovo)

まえがき

ASUSやMSIよりやや遅れてNetBook市場に参入したLenovo。「IdeaPad」ブランドは日本だとNetBookのみの展開ですが、海外では最大17型まで展開するThinkPadと双璧を成すLenovoのブランドです。位置づけとしてはThinkPadが法人向けで、IdeaPadが個人ユーザー向け。IdeaPadはボディ色がカラフルで、ThinkPadお馴染みのトラックポイントはなくタッチパッドのみになっているのが特徴です。

ideapad_s10e_intro1 IdeaPad S10e_intro2

評価

価格は変動する物としてあまり考えず、ハードウェアの素の状態を採点します。

  評価 ○ 良い点  × 気になった点
筐体 評価 5 ○ NetBookとしては質感に上品さがあり、色はかなり好み
× 特になし
キーボード 評価 3 ○ パームレスト縦幅は他NetBookに較べると広め
× キータッチが安っぽく固い。左CtrlがFnより小さい
排熱 評価 2 ○ hp mini 2133ほどの熱さにはならないものの
× 筐体表面が熱くなる。ACアダプタは約60度まで上昇
液晶 評価 3 ○ コントラストはまずまず
× 解像度が狭い
騒音 評価 3 ○ 起動後しばらくはHDD音が気になる(=静か)
× 回り出すといきなり65dBAという大きな音を出す
ソフトウェア 評価 4 ○ プリインストールの数はすっきり。ドライバが提供されている
× 縦解像度の短さから、添付アプリなのに窓が切れるものが多数
性能
モバイル
評価 3 ○ 電源コネクタがL型なので線を挿したまま鞄に入れやすい
× 1.4kg近い質量は外観から想像する以上に重い
総合  3.0 /5 外見が気に入れば満足度は高いかも。「ThinkPadの良さが多少あるのでは?」と期待する人には勧めません。Lenovoに改善をリクエストしたい不満点は大きく3つ。キーボード(ボタン)の固さ、表面の熱、ファンコンの調整。熱感とファンコンは密接に関係しているので、アイドル時も低回転で回すようにすればどちらも解決しそう。液晶は液晶メーカーの都合で変わってくるので今後のパネル展開に期待。

スペック

GPUIntel GMA950
CPUAtom N270 1.6Ghz
ChipsetIntel 945GSE
メモリPC2-5300 1GB (512MB×2)
HDDWD1600BEVS-08VAT1
NetworkBroadcom NetLink Fast Ethernet

筐体

ideapad_s10e筐体1  ideapad_s10e筐体2

ideapad_s10e筐体3  ideapad_s10e筐体4

カラバリモデルの方が高級感があります。手の触れるパームレスト部は非光沢のザラっとした表面で、ぺたぺた肌にくっつく感じが嫌いな自分としては不快感がなくて好きです。

色の好みは人によって様々だと思いますが、台湾系メーカーのNetBookのカラーがくすんだパステルとでもいうべき色合いや、hpやDELLの派手さへ大きくふったカラーと較べると、このIdeaPadのカラーはとても綺麗に思います。天板だけでなく、底面、側面もしっかりカラーリングしているのも好印象。

各種ポート

欲を言えばUSBはあと1つ欲しい。右手前にExpressCardスロットがありますが、ここに線が出るカードを挿すと色々と邪魔になりそうです。

前面 前面
背面 右側面

右側面 左側面
背面 背面

ExpressCard/34スロットはダミーカード式。SDカードスロットははみ出し型。かなりはみ出ます。

ExpressCard/34 SDカードスロット

キーボード

ThinkPadを抱えるLenovoゆえキーボードはかなり期待してましたが、使い勝手としては普通でしょうか。キーピッチはAspire oneなどと同じ17mmですが、キー間の隙間が若干広いのでキーが小さく見えます。パームレストの縦の広さはAspire oneより若干広い。

キータッチは固い。ストロークもThinkPadに較べれば浅く淡白な感じで、長時間のタイピングでは疲れると思います。もっとも長時間タイピングするような人はNetBookではなく、新品のXシリーズでも10万円を切っているThinkPadあたりを選ぶべきですね。

キーボード

タッチパッド

隅はシームレスにパームレストへと繋がり、隅に埃がたまりにくい。タッチパッド自体は特に不満はないが、ボタンが固い。キーボードも素っ気ない固さを持っているが、タッチパッドのボタンまで固く疲れる。

サウンド

ステレオスピーカーを搭載しているIdeaPad。手前のメッシュの中にそれらしき影が左右に1つずつ見えます。音は公園にいるお爺ちゃんがもっているラジオのようなチープな音です。

スピーカー

液晶

ハードウェアID LGD0000

発色も崩れず、コントラストもまずまず。NetBookとしてはなかなか良いのではないでしょうか。個人的には解像度の低さは気になる所ですが、その辺気にならない人ならば大きな不満は抱かないと思います。

液晶正面 液晶正面

上下視野角 上下視野角

左右視野角 左右視野角

輝度

輝度はNetBookとしては平均的ですが、ばらつきが少ないです。輝度は半分といわず、相当低輝度まで落とせるのはGood。

62 62 60
59 58 59
55 55 59
AVG 58.8

騒音

アイドル状態だとたまーに回る程度ですが、操作していると結構頻繁に回ります。回り方がファン停止状態から、いきなり65dBAの音量で回りだすので余計に気になります。もうちょっと低回転で回り出してくれた方が気になりにくいのですが。

騒音1 騒音2 騒音3

排気口を覗くと、筐体の枠の他にメッシュ状のパーツが見え、これが風切り音を大きくしているようにも思います。

発熱

人肌を超えてくると気になる筐体表面の温度ですが、アイドル時にパームレスト左は40度近く、キーボードは最も熱いところで40度を少し超えます。低温火傷しそうなぐらい熱くなったhp mini 2133のような状態には及びません。あと底面も熱くなり、最も熱いところは45度に。地肌にずっと載せるのは厳しいです。

排熱1 排熱2

ソフトウェア

プリインストールは少なくスッキリしています。

ソフトが既存モデルからの流用なためか、縦解像度の狭さでぶち切れるのは何とかして欲しいところ。

ソフトウェア1

性能

Atomなのでスルーします。

ACアダプタ

非接触の温度計で測ると、約60度まで加熱し、かなり熱くなる

ACアダプター 質量 ACアダプター サイズ

バッテリー 標準バッテリーの場合

※注意 VistaはSP1をあてないと駆動時間が短くなる可能性があります。

カードリーダー

速度は20MB/sには届いてませんが、そこそこ出ています。

SDHC カードリーダー SD1 カードリーダー SD2 カードリーダー

BIOS

USBデバイスからの起動を指定できるため、USBメモリーを挿したまま再起動させると「OSがない」とエラーが出て少々焦りました。デフォルトで起動設定されているインスタントOSもオフにすることができるようです。

IdeaPad S10e BIOS1 IdeaPad S10e BIOS2

GPU-Z

以前Atom系NetBookでフリーズした経験のあるGPU-Zですが、バージョンが上がったからか無事サーチ完了。Intel 945GMEとなってますが、Lenovo仕様書によればIntel 945GSEです。統合コアはIntel GMA950。

GPU-Z

CPU-Z

Atom N270搭載

CPU-Z
 Mainboard   / Memory   / SPD

消費電力

アイドル時、輝度MAXで12W、輝度MINだと11W。さすがにLEDバックライトは消費電力が少ない。

消費電力1 消費電力2

あとがき

他のNetBookと同様、縦解像度が狭いのは辛い。標準でプリインストールされているノートンの説明画面さえも縦に切れてしまうのは困りものです。地デジチューナーで録画も試みてます。詳細は別ページにて。

ノートン 下が切れてます。

最近は他社から11型クラスのNetBookが出はじめてますが、10型液晶の時点で狭ベゼルになっているIdeaPad Sには11型はサイズ的に載らなさそう。10型のまま高解像度化されるかな?

スクリーンショットを何枚か。

Windows代わりに起動させることができるインスタントOS。ブラウザも備えてます。

IdeaPad S10eインスタントOS1 IdeaPad S10eインスタントOS2

IdeaPad S10eインスタントOSでニコニコ動画 ニコ動も問題無く見えます

Windows上でのIntelユーティリティによるアスペクト比設定。

アスペクト比 IdeaPad S10e

マニュアルはCDジャケットサイズの小さな冊子。中身は非サポートを明記しつつも、HDD交換やメモリ交換の手順が解説されています。

IdeaPad S10e マニュアル外見 IdeaPad S10eマニュアル中身

 ⇒ IdeaPad S10e (Lenovo)

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