09
27
2014
電源、映像、その他データ、全てを1本のUSBケーブルに
電源、映像、その他データ、全てを1本のUSBケーブルに
またまた新規格。→ DisplayPortをUSB Type-Cコネクタで使える拡張仕様が発表に - PC Watch
→ VESA,「USB Type-C」でDisplayPortの映像・音声を伝送可能にする「DisplayPort Alternate Mode」 - 4Gamer.net
→ VESA® Brings DisplayPort™ to New USB Type-C Connector | VESA
げんなりする方も多そうですが(笑)
今回は新コネクタを増やすのではなく、逆に統合する提案です。
個人的に切望していたUSBケーブル1本で全てをまかなう規格になります。
類似の規格が色々あるので、そちらから整理。
・MHL
・micro HDMI
・MyDP (SlimPort)
・VESA DisplayPort Alternate Mode
・DockPort Express
・Thunderbolt
MHL
microUSB ←→ HDMI
まず「MHL」。
microUSB から映像を出力、HDMI端子で入力します。
ディスプレイ側が対応していれば、スマホへの充電も可能です。
出典: ソニー
メリットは microUSB端子を共用できること。
Samsungが積極的に推進したこともあり、Galaxyシリーズはだいたい対応していますし、他のメーカーでも広く採用されています。
micro HDMI
micro HDMI ←→ HDMI
HDMI自身にも「Micro HDMI」という小型端子があります。
ただし microUSBとは形状が異なり、別に端子を載せないといけないので人気がない。モトローラのDROIDや東芝 REGZA Tabletなどで採用例があります。
採用例)
→ DROID RAZR HD microUSB の横に micro HDMIが見える
MyDP (SlimPort)
microUSB ←→ DisplayPort
お次は標準化団体VESAが提唱した「Mobility DisplayPort(MYDP)」。
出典: サンワサプライ
この規格は端子の形状を決めておらず、端子に microUSBを採用したものを米Analogix Semiconductor社が開発。商標名「SlimPort」で展開中です。Nexusシリーズなどで採用されています。
→ 第645回:SlimPort とは - ケータイ Watch
役割がMHLとモロ被りしますが、MHLとの互換性はありません。
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ここまでは映像伝送をメインにした規格
ここからは映像+USBを視野にいれた規格
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VESA DisplayPort Alt Mode
USB Type C ←→ USB Type C
そして今回のVESA DisplayPort Alt Mode。
USB Type Cを転用(Alt Mode対応が必要)し、DisplayPortのデータを通します。
「SlimPortと一緒?」と思うわけですが、MyDPはUSB端子の形状だけ利用するのに対し、Alt Modeは USBデータ伝送 の機能も残しています。
下の図で言うと、DisplayPortを流すのはUSB 3.1用の配線(赤丸)。給電やUSB2.0は使わないので併用が可能です。
出典: www.usb.org
また2ペア使わず、1ペアを残せば、USB3.1のデータも同時に通すことが可能です。
出典: www.displayport.org
USB PD対応で、双方向に給電が可能。
DockPort Express
DisplayPort ←→ DisplayPort
AMDがVESAと共同で提唱した規格。
DisplayPortケーブルにUSB3.0を通し、給電も可能。
→ 蹴茶: またケーブル規格が増えたよ!「DockPort Express」 [1.10]
コンセプトは、今回のVESA DisplayPort Alt Modeとそっくりです。
大きな違いは USB ではなく、DisplayPort端子/ケーブルを使う点。
Thunderbolt
DisplayPort ←→ DisplayPort
Intelが策定した伝送規格。
Appleがいち早く搭載製品を出したにも関わらず、いまいち普及しない。
上記の「DockPort Express」 はDisplayPort+USB3.0でしたが、これは DisplayPort+PCI Expressを通します。
ケーブル統合、生き残るのは?
現在のところ、スマホでの採用事例が多いのはMHL。ただ今後スマホ、タブレットで USB Type C の普及がどんどん進むであろう事を考えると、Alternate Modeは最後発ながら巧いポジションを占めたことになります。
MHL陣営もType C対応を進めてくるかもしれませんし、IntelもThunderboltのType C版を出してくるかもしれません。まだまだ一波乱、二波乱ありそうです。
関連
→ 蹴茶: 裏表のないUSB新型コネクタが来年中頃に、その背景を考える [12.5]
→ 「VESAが策定したDockPortの正体はかつてLightning Boltと呼ばれていたあの規格」