01
19
2015
AMD系ディスプレイ同期技術、FreeSyncが勢力拡大

AMD系ディスプレイ同期技術、FreeSyncが勢力拡大

AMDが推すディスプレイ同期技術、FreeSyncが勢力拡大してます。

 → LG、世界初のFreeSync対応34型ウルトラワイド液晶を展示 - PC Watch
 → Samsung、FreeSync+HDMI 2.0対応4K液晶2製品を展示 - PC Watch

もともとNVIDIAがディスプレイ同期については積極的で、先に「G-SYNC」という新しい仕組みを発表。その後、対抗する形でAMDが出したきたのが「FreeSync」です。


どちらも現在使われている「V-Sync」の良いところを受け継ぎつつ、低FPS時のカクツキといった弱点を軽減した技術になります。


ざっくりと説明

現在よく使われているV-Sync。これはGPUに画面更新と共同歩調を取らせるもので、以下のような画像の乱れが置きにくくなります。

ティアリング
出典: Adaptive VSync | Technology | GeForce

しかし、負荷が重くなりGPUが処理しきれなくなった場合、問題が生じます。

V-Sync以下のFPS
出典: FreeSync

描画が遅れ、GPUが共同歩調についていけなくなるとカクツキが生じます。

↓下図(上)で言うと、Render Bの描きだしが遅れたことで、シーンAが2回続いてます
V-Sync以下のFPS

GPU次第で調子が狂うのなら、その共同歩調をGPU自身に音頭を取らせばいいじゃない、というのがG-SYNCおよびFreeSyncの考え方です。



先行するも、追いつかれたG-SYNC

システムの提案でAMDに先んじたNVIDIAですが、G-SYNCのネックはNVIDIA製の専用モジュールが必要である点です。NVIDIAとしては共通モジュールを組み込むことで、相性問題を解決する意図があったようです。

G-SYNCモジュール

対するAMDは専用モジュール不要をアピール。業界標準を決める団体、VESAを通して標準規格化に成功。さらにVESAにより、DisplayPort 1.2aの1機能として実装されます。

 → 蹴茶: G-SYNC対抗のVESA規格「Adaptive-Sync」 [6.9]
 → GPUとディスプレイを自動同期する機能がDisplayPortに実装 - PC Watch


結果昨年、G-SYNC対応ディスプレイがASUS、ACERから発売されたものの、ここに来てLG、Samsungという二大ディスプレイメーカーがFreeSync陣営に傾いたことになります。

G-SYNCディスプレイ
出典: NVIDIA G-SYNC



ライセンス料

FreeSyncはライセンスフリー。G-Syncは有料という噂。さすがに再検討されてそうですが。

G-Syncではディスプレイ側に専用回路を組み込む必要があるだけでなく、ライセンス料もかかるとされている。
 一方、FreeSyncは、オープンスタンダード規格らしく「ライセンスフリーで、かつ特別なハードウェアはなにも必要とされないというメリットがある」

「技術的には、現行製品の中にもファームウェアを変更するだけでFreeSyncに対応できる製品は多く、製品開発と製造にかかる追加コストは一切かからない」
 → ITmedia PC USER



ただし、FreeSyncでもバリデーションコストはかかる。相性問題が生じては意味ないですからね。

では、なぜ全てのディスプレイで対応しないのかと言えば、バリデーション(評価)コストがかかるためだ。
 → PC Watch





省電力効果も?

画面更新を制御できるということは、不必要な時に更新頻度を落とすこともできるので、省電力にも繋がるとされています。

FreeSync10+ 件は、もともとノートPCなどのモバイルデバイスにおいて、液晶ディスプレイの省電力化を図るべく、液晶パネル向けインタフェースのeDP(embedded DisplayPort)拡張規格として追加した「Adaptive Vsync10+ 件」(アダプティブVsync)技術をベースとしている。リフレッシュレートを9~240Hzまで動的に変更することで、低リフレッシュレートのときはシステムの消費電力を抑えることも可能になる。
 → ITmedia PC USER





AMDの解説ビデオ



 → 蹴茶: ディスプレイ同期に革命? NVIDIA「G-SYNC」 [10.20]
 → 蹴茶: G-SYNC対抗のVESA規格「Adaptive-Sync」 [6.9]

 → AMDがCarrizo搭載ノートブックPCを公開 ~FreeSync搭載のディスプレイが多数登場 - PC Watch