dynabook Qosmio FXW/75GW レビュー

良いところ悪いところをチェックしていきます。
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dynabook Qosmio FXW/75GW

FXW/75GWは2008年Montevina世代(Intel PM45)のゲーマー向け普及価格帯モデルです。GPUはミドルレンジのGeForce 9600M GT(DDR2 512MB)を搭載。人気だったTXWシリーズの後継機で、興味のある人も多いかもしれません。

いつものように最初に評価まとめを出しておきます。

  評価 ○ 良い点  × 気になった点  □ プラスでもマイナスでもないコメント
筐体 評価 4 ○ ポート類が背面も含め3面に分散しているのはGood。使いやすいです。
× 蹴茶的には鏡面筐体がちと(−)。あとはUSBポートがやたらと固いぐらい。
キーボード 評価 4 ○ ファンクションの分離、カーソルキーの一段下げなど至極真っ当な配列。
× ねっとり指にからむ感じのピアノ調塗装が気になる。指が乾いてたら大丈夫かも
排熱 評価 4 ○ パームレストの熱感はほぼゼロなのは快適。
× ゲーム中はキーボードの右側がやや(40度前後)熱くなる。
液晶 評価 2

輝度を上げると黒が浮いてしまい、逆に輝度を下げると暗部が潰れる。コントラストが悪い。VAIO type Cあたりと同等クラスのパネルに見える。

騒音 評価 4

○ 負荷をかけてもあまりファン音が大きくならない。(もう少し検証します)
× アイドル時も多少の音はする。もう少しだけ下げられると完璧。

ソフトウェア 評価 3

○ 静音ユーティリティはGood。FlashCardもかなり機敏になっている。
× ポップアップしまくるウイルスバスターとマカフィーが両方入っている。

3D性能 評価 3

○ カジュアルゲームはおそらく全く問題ない
× Crysisに較べると軽めのCoD4もWXGA動作だと厳しい。GDDR3ならなお良し。

総合  3.5 /5 液晶が大きく足を引っ張り3.5点。液晶がもう少し良いパネルで、GPUのメモリがGDDR3だったなら4点にあがるところですが。筐体のポート配置はGood。

蹴茶の好みからすると筐体のポート配置は文句なし。設置場所にもよりますが、据え置きノートだと抜き差し頻度の低い電源コネクタやEthernetが背面にあった方が、左右のスペースがフリーになるので好まれます。パームレストが熱くならないのも長所の1つです。

USBは左右背の3面に分散し、計4つ。ExpressCardスロットは手間のないシャッター式ですし、15.4型の筐体としてほぼ文句のない出来だと思います。デザインは好みで大きく分かれるところです。鏡面に近いフチのデザインは見る人によっては目障りに感じるかもしれませんね。スピーカー周辺もちょっとオモチャっぽい。

最大の難点は液晶です。見慣れてしまえばそれまでですが、コントラストが悪く、暗いシーンの描写がかなり苦手です。上下視野角が非常に狭いのも気になる点です。

スペック

GPUGeForce 9600M GT (DDR2 512MB)
CPUCore 2 Duo P8400 2.26Ghz (Penryn)
メモリ2GB DDR3-8500 (1GB + 1GB)
HDD160GB HTS542516K9SA00
ODDDVD-R 8倍速 PIONEER DVRTD08A

筐体

ヒンジが堅く片手オープンは不可。

開いたところ 斜め

天板 底面

パームレスト高は約 2.4cm。加えてWXWより縁に丸みがあるので気にはならず。

FXWパームレスト 高さ

各種ポート

PCI ExpressCardスロットは最近では珍しいスロット式。ダミーカードを無くす心配もありません。

背面に何もポートがないモデルが増えていますが、本機はUSBをはじめ、抜き差し頻度の少ないポート類を後ろに集中させています。USBもきっちり3面に分散。回転式のボリュームコントローラーもFn+ファンクションキー式に較べれば便利です。

前面 前面
背面 背面
右側面 右側面
左側面 左側面

HDD内蔵スロット

HDDスロットは深さがあり、2台分のスペースがあるように見えます。ただWXWのようにコネクタは2つあるけど固定器具ないというパターンではなく、コネクタも1個しかありません。

蓋オープン

キーボード

強く押すと多少たわみはするものの、WXWのような通常のタイピングでしなるようなたわみは無いです。ねっとりした表面で指が引っかかる光沢塗装は相変わらず気になる点です。指先も乾燥する冬は気にならないかもしれませんが。

キーボード

同時押し最大キー数 8 (PianoBoradで調査Gamer's Gadget Memo参考

タッチパッド

WXWと同じような感触の肌触り&滑りの良い素材です。隅にホコリもつまらなさそうです。ただこれまたWXWと同じくロジクールMX510の中ボタンがゲーム中(Crysis、CoD4)に効きません。ロジクールから最新ドライバをもってきて入れてもダメでした。他のノートでは特にドライバを入れなくても使えるので、何かしら競合しているのかもしれませんが。

タッチパッド タッチパッド2

サウンド

WXWと同じくDolby Control CenterとRealtekのMAXX Audioがエフェクトをかけています。ゲーム向きの重低音重視ですが、違和感もWXWに較べれば少なく良好です。過度な期待は禁物ですよ。

 キーボード

 キーボード

液晶

ハードウェアID AUO8174

FXWの問題はここです。明るすぎて黒が浮いてしまうので輝度は落とした方がいいのですが、そうすると今度は全体が暗くなります。コントラストが低いのか、液晶の弱点である暗部の階調表現が特に苦手なようです。あとで写真を交えて後述。

※ 写真は参考程度に

液晶正面1 液晶正面2

液晶斜め上1 液晶斜め上2

液晶側面1 液晶側面2

輝度 (※写真写りと数値は一致しません)

上端の隅は輝度がかなり落ちます。

80 82 78
81 96 81
65 69 63

液晶は常に背面からバックライトで照らされ、少なからぬ光が漏れることから黒を黒として表現するのが元々苦手なディスプレイです。最近の液晶はその辺が際だって改善されてきているのですが、本機のパネルは黒浮きが目に見えて起きてしまっています。

以下の写真がわかりやすいかと思いますが、真っ暗な部屋で真っ黒のGIF画像をフルスクリーン表示したFXW/75GW(左)とWXW/77GW(右)です。あらかじめ両者の輝度は真っ白なGIF画像を使ってLUXを揃えてあります。

黒が浮く

写真では右のWXWも黒浮きしているため微妙な差ですが、目視だともっとはっきり違いが出ます。実際のゲームでは例えばCall of Duty4デモだとナイトビジョンを使えと指示が出るようなシーンが顕著ですが、妙に明るく違和感を感じることになります。

CoD4 こういったシーンです

騒音

可もなく不可もなく。今後もうちょっと様子を見て追記します。

第一段階 第二段階

CD/DVD静音ユーティリティ

WXW同様に光学ドライブのうなりを抑えてくれます。静音モード時は回転数を落としているので、当然読み込み性能も落ちますが、深夜の使用では重宝します。

静音ユーティリティ

排熱処理

WXWと同じく良好です。キーボード右側は若干熱くなりますが(37度程度)、パームレストはほとんど熱くなりません(35度程度)。

ちなみに消費電力はゲーム中で63W程度。

ソフトウェア

プリインストール一覧
グレーアウトしている3DMarkなどは後から入れたものです。
WXW同様、やっぱりウイルスバスターとマカフィーサイトアドバイザーが入ってます。ベテランの人は不要ならアンインストールすればいいだけですが、初心者ゲーマーにとっては微妙な存在となりそうです。

入っていたソフトウェア

ウイルスバスター マカフィー サイトアドバイザー

Fn連動で輝度や無線LANのオンオフ、電源モードの切り替えなどを担当するFlashCardユーティリティはせり出すアニメーションがなくなり、反応速度が大幅改善しています。BIOSが機能を担当する機種だとさらに機敏に反応しますが、十分使えるレスポンスに改善しています。バックグランドで他のタスクが走っていると反応悪くなります。

flash card

3D性能 ベンチマーク

性能の基本となるStreamingProcesserは32基。GeForce 8600M GTと同数です。メモリもコスト優先のDDR2のため、あまり伸びてません。3DMark06はFXWがWXGAなので、基準解像度に満たずFXWに有利な条件になっています。

ベンチスコア

3D性能 Call of Duty 4 デモ版

Call of Duty 4 デモ版をプレイ。設定はCoD4が立ち上げ時に設定したそのままでプレイ。たまにFPSが跳ね上がっているのはおそらく死んでリスタートする際の画面切り替えだと思います。

WVGA(800×600)だとほぼFPS 30はキープできます。グラフには載せてませんが、XGA(1024×768)でもやってみましたが30キープは難しいです。

Call of Duty 4 FPSグラフ

3D性能 Crysis 製品版 パッチver 1.2適用済

Crysisは製品版をプレイ。いつもの丘の上の船のシーンではなく、ステージ1で測定しています。

GeForce 9700M GTS搭載のWXW/77GWでも荷が重い重量級タイトルですが、GeForce 9600M GTだと解像度 800×600でも30キープは難しいです。CoD4のような暗い室内での戦闘はあまりないので酔いにくいですが、やはり目は疲れやすくなります。先のステージに進んで敵基地内でのエイリアン戦になると厳しいかも。

そのままの設定で解像度だけいじりましたが、解像度だけでなく極力設定を変えて負荷を減らした方がいいですね。

Crysis 1.2 FPSグラフ

カードリーダー

かなりの快速ぶり。高速な部類に入ります。

カードリーダー カードリーダー カードリーダー

WXWは使いにくい場所にカードリーダーがありましたが、こちらは剥き出しですが使い勝手は良好です。慣れればブラインドでカードの抜き差しが可能ですし、差し込んだ後は完全収納されます。

カードスロットさし込み前 カードスロットさし込み後

GPU-Z

GPU-Z 0.2.7を使用。メモリクロックが低く、低コストのDDR2メモリが使われていると思われます。

GPU-Z2

ちなみに4gamer.netのこのページではデバイスID「10DE-0649」をシュリンクしたコアと書いてありますが、GPU-Z 0.2.7では「10DE-0649」も65nmと診断します。

CPU-Z

EISTでクロックは低めの1.6Ghzで動作中。DRAMは1GB×2のオーソドックスな構成。デュアルチャネル。

CPU-Z CPU-Z Memory

Vista Window エクスペリエンスインデックス

WXWはHDDでしたが、FXWはGPUがボトルネックになってますね。

Vista Experience Index

総論

WXWと較べるとFXWの筐体はそつのない作りで使いやすいと思います。USBは分散設置されていて様々な使い方にも対応できますし、ExpressCardスロットがシャッター式なのも便利です。個人的にはテカテカのデザインが引っかかるところではありますが。

弱点は液晶です。締まりのない黒のおかげで暗闇の表現がひどく苦手です。黒浮きを減らそうと輝度を下げると、他の部分も一緒に下がるので調整も限界があります。CoD4デモなどは暗いなかの行軍がメインなので、臨場感が台無しになってしまいます。

ライバルとなりそうなPavilion dv5も現物を見ましたが、液晶が優秀なので液晶を重視するならdv5で決まりです。ただ、dv5はハンパでない熱問題を抱えているため、発熱の処理、安定性という点においてはdynabook FXWが勝ります。画面を取るか、ひんやりを取るかという選択になりますね。

一度液晶を生で見てみたいという方も多いと思いますが、店頭モデル「Qosmio F50」がもしかしたら同じパネルかもしれません。また機会があれば確かめてみます。

 ⇒ 東芝サイト dynabook WXW/77GW

蹴茶 3Dゲームをノートで