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毎度ながら、最初に総括から書き始めます。
今回は意外に良かったところ、悪かったところを軸にしますが
意外に良かったのは液晶。
発色が良く、視線を横にずらしていくと「あれ、あれれ‥」とつぶやくぐらいに色調の変化が少ない。もちろんIPSやVA系ほどではないですが、TN方式の液晶としてはかなり頑張ってます。高解像度で開口率が不利なわりに輝度も高く、ざらつき感も少ない。グレアコートゆえ映り込みはありますが、液晶自体はとても良好。
意外に悪かったのは排熱処理。
パームレストのみならず、キーボードからも熱気が上がり、夏場はストレス要因となりそう。特に3Dゲーム時は一部のキー表面が40度を超えてきます。GeForce 8800M GTSを積んで、他機種より薄めなので仕方のないところではあるのですが。
評価 |
○ 良い点 × 気になった点 □ プラスでもマイナスでもないコメント |
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筐体 |
○ ヘアライン加工や側面デザインなどベアボーン系より良好な質感。 |
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キーボード |
○ Enter右横に最低限の区切りはきっちり設けている。 |
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排熱 |
○ |
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液晶 |
○ 発色、(WUXGAとしては)輝度、視野角ともに良好。 |
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騒音 |
○ アイドル時はそこそこ音は小さくなるが、静音とまではいかない。
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ソフトウェア |
○ 国内メーカーモデルに較べると圧倒的に少ない。 | |
3D性能 | ○ GeForce 8700M SLIとSP数は同じだが、SLI非対応のゲームでも性能を発揮。 | |
総合 |
3.5 /5 |
表面コートの好き嫌いはありますが、液晶の画質はとても良好。3D性能も要SLI対応という枠に捕らわれず性能を発揮できるのはGood。問題は排熱周りと、やりたいゲームによっては3D性能。WUXGAの超美麗な画面でCrysisやCoD4をぐりぐり遊びたい人は、GeForce 9M世代を待った方が幸せかもしれません。その代わり高くなりそうですが。 |
液晶が良く、4点台を十分狙える素性の良さがあるだけに、3.5点という点に落ちたのは惜しい。大きく足を引っ張ったのは排熱。熱さが気にならない人は補正してくださいな。
たとえばほとんど回らない右背面ファンを右側面にし、左のファンを後ろに回せば右にポートが集中する事態は避けられるはず。近々出ると噂の55nmプロセスのGeForce 9800Mや、SSDの採用で排熱も解決? いまは無理ですが近々解決できそうな課題は多く、後継モデルに大いに期待できるシリーズですね。
GPU | GeForce 8800M GTS (GDDR3 512MB) |
CPU | Core 2 Duo T9300 2.5Ghz (Penryn) |
メモリ | 3GB DDR2-5300 (2GB + 1GB) |
HDD | 250GB HTS543225L9A300 |
ODD | GSA-T40N |
IEEE 1394 | AGERE OHCI Compliant IEEE 1394 Host Controller |
Blutooth | Broadcom 2045 Bluetooth 2.0+EDR USB Device |
HDD | Silicon Image SiI 3531 SATA Contoller |
表面がピアノブラックで指紋がべたべた付くのはマイナスですが、ヘアライン加工されたタッチ式のボタンや曲面の光学ドライブベゼルなど、デザインには相応のコストをかけてます。見た目の質感で較べれば東芝dynabook WXW、Clevo M570RU-U系より上。製造はFOXCONNの模様。
ただ、天板のデザインは古くさいような。あと「ここもオレンジ、あっちもオレンジ」という欧米ゲーマー向けのカラーリングが好き嫌いの分かれそうな点です。また、タッチパッドの部分は指で押すとペコペコへこみ、ボタンの耐久性に一抹の不安もあり。天板の片手オープンは、わずかに最後持ち上がりますが十分可能です。
カードリーダーとPCI Expressスロット。ダミーカード式。
前面
背面
右側面
左側面
HDDは2基内蔵可能。ツクモショップによればHDD1基のモデルでも、もう1基の取り付け金具は付くとのこと。ちなみに、HDDはネジ止めされてませんでしたが、蓋を閉めれば固定されるそうな(by ゲートウェイ)。空スロットはアルミホイルのようなものでカバーされています。
キータッチは最初のカチッと落ちるクリック感が若干ですが軽く、軽めのタッチです。クリック感はキッチリあるので、ふにゃふにゃというわけではないですが。キーボード底のたわみは強く打鍵しないとわからない程度ですがあります。またわずかですが借りた機体ではキーボード自体の波うちもあり、日常的にはまず意識しないですがF2が谷、F12のあたりが山になるように緩やかに波打っています。
キー配列はカーソルキーが一段下がりではなく上に食い込んでいるため、余波を食らって右のALT、Ctrl、Shiftキーが軒並み小さくなっています。この点は使いにくさに直結するのでマイナス。
同時押し最大キー数 2〜4 (PianoBoradで調査、Gamer's Gadget Memo参考)
タッチパッドボタンは平均的な固さです。蹴茶は柔らかいボタンが好きなので、個人的にはもうちょっとふにゃふにゃの方が好き。
たいていのゲームノートは迫力を出すために低音を響かせるような傾向を持っていますが、本機もやや演出しすぎな感もあるエフェクトがかかっています。ただ、dynabook G40Wのような破綻した音にはなっていない。
発色は上々。視野角もTN方式(ノートは言及なければほとんどTN)にしては相当に頑張っている。AUOの製品ページを見てみると、WUXGAのパネルは2種(B170UW02、B170UW02 V0)あり、このイタリアのサイトを信じるなら、ID「AUO1088」は世代の新しい「B170UW02 V0」となる。
あとで測定値も書きますが、輝度も高い。高解像度のパネルでは開口率を上げるのが難しくどうしても輝度が低くなりがちですが、同じ17型WUXGAモデルであるマウスのG-Tuneと比較しても輝度は高めです。逆に輝度が十分に下がりきらないのは難点ですが。
WUXGAだと1画素あたりの面積は小さくなり、開口率的に厳しくなるため輝度は低くなりがちですが、他の高解像度パネルと比較して高い輝度が出ています。
70 | 92 | 78 |
70 | 97 | 71 |
74 | 107 | 76 |
AVG 81.67 |
冷却ファンは2つありますが、起動直後の冷えた時間はどちらも回りません。そのうち左サイドのファンが回りはじめます。音量はいつもの密着測定で60dBA弱。特に静かでもうるさくもないレベルで、このCPU、GPUならこんなもの、と言える音量だと思います。静かではないです。
GPUに負荷をかけると冷却ファンはフル回転。左ファンは70dBAを超えます。
おそらく、左のファンはGPU、右背面のファンCPUとチップセットを冷やしているようです。もっぱら騒音源になっているのは右背面ファンなので、やはりGPUが熱いようです。CPUはPenrynだけあって冷たいのか。今後も少し調査します。
発熱はパームレストとキーボード共に人肌でいえば微熱程度の37度前後になりますが、3D負荷時は数字キーを中心にキーボードが40度オーバーになります。
数字キーはGPU熱で、パームレストはHDD熱か。
借りた機体で見る限りごみウェアはかなり少ない。リスト中に見える3DMarkや、FF11、Lineage2はおそらくこれを貸してくれたツクモショップがテスト用に入れたものと思われる。デフォルトのセキュリティソフトはノートン先生が入っています。
「BigFix」はGatewayが用意した自動アップデートユーティリティ。特にファンコンユーティリティなどは無し。Webカムユーティリティはゲーム時に邪魔になるので、常駐から外しておいた方が吉。
3DMark Vantageについては、ランタイムエラーで起動せず。当初はインストールも出来ませんでしたが、2バイト文字を避ける対処でインストールは完了。が、起動時のエラーで測定はできず。これは本機の問題というより、3DMark Vantage側の問題だと思います。
3DMark Van | 3DMark 06 | 3DMark 05 | 無双オロチ | FF11 v3 |
エラー | 7913 | 14043 | 62.2 | 6745 |
さて、次はベンチではなく実際のゲームプレイで見ていきます。
試したのはCrysis。以前も使った山中の船イベントのシーンです。Crysisではイベントも事前撮りの動画ではなく、すべてリアルタイムで描画されるため、要求される3D性能もハンパではありません。毎回同じシーンなので、比較用にちょうどいいですね。
見ての通り、解像度に反比例してFPS値は下がっていきます。WUXGAでは10前後をうろうろ。FPS 10 だと、もはやカクカク描画です。変な例えですが、「8800M GTS」には64人の描画職人(StreamingProcesser)が住んでいるとすると、Crysisクラスでは64人は完全に人手不足。
これをWUXGAでぐりぐり動かそうとすると、それこそ「9800M GTX」のSLIでもなければ叶わないかもしれません。
ちなみに、話がそれますがWUXGAのリアルさはこんな感じ。Crysisは特に優秀ですが。
なんでも高解像度で動かせば良いわけでもなく、むしろ解像度と面白さはあんまりリンクしてないかもしれませんが、臨場感や情報の一覧性は向上します。あと、これほど精細なグラフィックが眼前でグリグリ動くのはある種の感動です。
次はXGA 1024 x 768で普通に遊んでみた時のFPS変移です。
たまに20前後までFPSが落ちますが、XGAまで解像度を落とせば普通に楽しめます。
解像度の設定画面
やけに速い。
USB HDDと違い、内蔵HDDに近い速度が出るeSATAポート。標準で1ポート持っているので、ExpressCardなどを使って拡張すれば3ポートもてます。元々2台内蔵できますし、ストレージの拡張性は抜群によろしいです。電源の確保が問題ですが、こういうのが便利。
WesternDigital WD5000AAKS-00YGA0、Samsung HD642JJ をeSATA接続させてHD Tuneベンチ。
テストにはニコイチBOXのなれの果て(解体したもの)を使用。接続ケーブルはESAT-05Aなどが便利。
なにやらSamunsg HDDで、Inspiron 9400+eSATAカードの時のように頭打ちになっていますが、今回はHD642JJが速すぎるからでしょうか。記録密度が上がった恩恵と思われますが、一台で昔のRAID0並みの速度です。eSATAの実測上限ってどのくらいでしょう。i-RAMをeSATAで繋いだ人とかいませんか〜
→ ノートでeSATAドライブ レビュー - ニコイチBOX動画 -
参考までに、FXにPCI Express接続のeSATAカード(SiI3132)を使って計測した結果。
内蔵の2.5型 HDDを測定するとこんな感じ。上の3.5型に負けてますが、それはまぁ仕方ないです。2.5型にしては結構頑張ってます。やはり新しいドライブは速いですね。
eSATAからの起動は無理そう。
RAIDはHDD1基だけの時は見えないですが、2基載せるとRAID設定が出てきます。RAIDを試そうかとも思いましたが、どうもリカバリ領域をディスクに書き出せないのか、借りた状態に戻すのが大変そうだったので断念。
→
付属する日本語マニュアルは、CLEVOなどのショップブランドとは一線を画す出来で、かなり充実しています。公式にはサポートされないと思いますが、HDDスロットの扱い方や、Core 2 Extremeでのオーバークロック方法まで網羅しています。
着実にバージョンアップを繰り返し、便利なユーティリティに成長中のGPU-Z。
ベンダー名が懐かしの「Gateway 2000」になってます。クロックは公称値どおり。
メモリは2GBと1GBのモジュールで容量違いですが、965シリーズ以降では容量が違ってもフレックスメモリーテクノロジーとやらで、それぞれ1GB分はデュアルチャネルが構築されます。ただデュアルチャネルの効果はエンコでもしない限り、体感できるほどの差ではないので、あまり気にしなくてもいいと思ったり。
デュアルチャネルの効果を知りたい方は以下ページが参考になります
→ 「GeForce 7150+nForce 630i」
ただし、GPU専用メモリを抱える本機ではメインメモリへの負荷が減るので、さらに差は小さくなります。