HP Mini 2140 (Intel SSD) レビュー

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 ⇒ SSDモデルの選択はここで行う 型番「80S」がSSD 非WXGAもあるので確認を

まえがき

HP Mini 2140はAtomとWXGA液晶、そしてSSDを載せたHP製ネットブックです。Atom搭載ネットブックが世の中に出回る前に、一足早くVIA C7-M搭載でリリースされ話題になったHP Mini-note 2133の後継にあたるモデルですが、驚いたことに巷の評価が高いIntel製SSDを搭載しています。メインメモリ2GBなのも好印象。

製品特徴より
Intel SSD

hp_mini_2140_intro1 HP Mini 2140 (Intel SSD)_intro2

評価

価格は変動する物としてあまり考えず、ハードウェアの素の状態を採点します。

  評価 ○ 良い点  × 気になった点
筐体 評価 4 ○ 金属製で剛性感あり
× 右に配線の伸びる電源コネクタ、LAN、PCカードスロットが集中
キーボード 評価 4 ○ キーピッチが広く、たわみも少ない
× 全面的に平坦なため、指の位置が掴みにくい
排熱 評価 4 ○ 2133で見られたような火傷しそうな熱さにはほど遠い
× パームレスト左はやや暖かくなる
液晶 評価 4 ○ 高解像度、コントラストも高い
× さらなる欲を言えば11型のサイズが欲しい。枠幅はいけるはず
騒音 評価 3 ○ 起動時の静かさはちょっとした感動もの。負荷時もあまり変化しない
× コンスタントに回り続け、夜中は気になる音量に
ソフトウェア 評価 4 ○ 邪魔なソフトウェアは少ない。ドライバ提供あり
× セキュリティソフトはLenovoのように最初に選ばせて欲しい
性能
モバイル
評価 3 ○ 底面に出っ張りがなく鞄への収まりがいい。2133より軽量
× コネクタがストレート型で邪魔
総合  4.0 /5 HP Mini 2133での熱へのクレームを意識してか、Atom機にしては冷却ファンがよく回り筐体の熱に関してはほとんど気にならず(ファンノイズも大きいですが)。現行のAtom環境で快適性を追求した1つの完成形ともいえる形で、ベテランユーザーに触って欲しいモデル。

スペック

GPUIntel 945GME内蔵 GMA 500
CPUAtom N270 1.6Ghz
ChipsetIntel 945GME
メモリPC2-6400 2GB
HDDIntel SSDSA2MH080G1HP 80GB
Network調査せず

筐体

hp_mini_2140筐体1  hp_mini_2140筐体2

hp_mini_2140筐体3  hp_mini_2140筐体4

基本的に以前レビューした2133と同じアルミとマグネシウムの合金ボディ。天板はヘアライン加工されている。L型ヒンジのため、開く角度が限定されてしまうのは残念。布団の上などでごろごろしながら使う時など、180度開いて欲しい時があります。片手Openは不可。

各種ポート

排気口スリットの形状などが変わってますが、ポート配置はHP Mini-note 2133と同様なのでここでは触れません。以下記事に写真があります。
 → HP Mini 2140、遅・熱・重の三大苦は克服した?

キーボード

キーピッチ 17.5mmの広いキーボード。比較的打ちやすいですが全面的に平坦なため、パッと手を載せた時などに指先の位置が掴みにくい。

キーボードはプラ製のHP Mini 1000と較べるとかなり重い。質量的にはマイナスだと思いますが、質感やキータッチが安っぽくならずに済んでいるというプラス面もあります。

キーボード

タッチパッド

タッチパッドのボタンはゴムのような手触り。タッチパッド面の横についているのが賛否わかれるところですが、ボタン自体は柔軟で押しやすく好みです。クリック感がやけに固いボタンは疲れるので好きではありません。

サウンド

見えにくいところにスピーカーが設定されている。音はあまり良くない。2133では液晶ベゼルに大きな面積を取って、ネットブックらしからぬいい音を出していましたが、2140はいまいち。

スピーカー

液晶

ハードウェアID LGD01EB

最大の特徴である高解像度(1366×768)WXGAパネル。やっぱり広い画面はいい。輝度も高いものの黒浮きが目立つわけでもなく、コントラストの高いキリっとした表示になっており感心。輝度の高さが映り込みを相対的に気にならなくしている。

ハードウェアIDを調べず返してしまったことが悔やまれます。ハードウェアID情報求む。

5/24 たけぴさんから情報いただきました。 LGD01EB LGっぽいですが、ググッても何も出てきませんね(^^;

液晶正面 液晶正面

上下視野角 上下視野角

左右視野角 左右視野角

輝度

非常に高輝度なバックライトを持ちますが、光漏れが極力抑えられているのは最新パネルゆえか。

ネットブック用WXGAパネルはこれまで採用したくてもモノが無いと言われてました。今回のパネルはどこかの液晶メーカーが新規に生産ラインを立ち上げた新設計のパネルなんだろうと思われます。

黒浮きの程度 黒画像をフルスクリーンで表示

86 100 90
91 94 94
96 90 90
AVG 92.3

騒音

駆動部のないSSD搭載モデルのため、起動時はほぼ無音。これはちょっとした驚きです。その後は冷却ファンがコンスタントに回り続け、60dBA中盤をふらふらします。アイドルで放置しても回転数が落ちることはあまりない模様。

逆にニコニコ動画を流して負荷をかけても変化が少ない。ゲームをすれば変わるかもしれませんが、Atomでゲームをする気は無いので今回は試さず。唯一起動直後に70dBAまで上がりますが、1分もたたずに60dBA台に落ちます。

騒音1 騒音2 騒音3

発熱

2133では致命的な熱さでしたが、CPUがAtomへと変わり冷却ファンもよく回ることから熱さは負荷をかけても気にならないレベルで留まる。左パームレストが温かくなる。

筐体の熱

ソフトウェア

デモ機なので参考程度の話ですが、プリインストールされている市販ソフトは少ない。その代わりHP謹製の各種ユーティリティが多い。この傾向はこれまでのHP機と同じ。

ドライバの提供あり。 → HP公式サポート

ソフトウェア1

SSDモデルですが、「3Dモーションセンサ」と連動する「3Dドライブガード」が常駐してました。このユーティリティはおそらく不要のはず。SSDモデルだけ削るのが面倒で残しているっぽいですが。

3D

性能

体感ではこれまで触ったネットブックのなかで最もサクサク動きます。遅さを感じたのはSSDが苦手とするインストール作業時ぐらいです。MLC型のSSDはどれもサービスパックのような細々したファイルのインストールでもたつく傾向があるように思います。

起動と終了は爆速ではないですが、振っても問題ないので使い勝手良好。モバイル時でもシャットダウンの完了を待たずに、鞄に放り込めるのは精神的に楽です。

YouTube: ニコニコ動画視聴の様子。BGMを入れてるので音量に注意。

あとUSB地デジチューナーのQRS-UT100Bを試したみたのですが、IdeaPadでは経験しなかった音ずれが生じ、録画も上手くいかず。視聴中はCPU占有率が100%に。同社のHP Mini 1000はクイックサンの公式認定も受けており2140だけダメな理由がよくわからないですが。SSDゆえ?設定を間違えた?

HP Mini 2140 地デジ HP Mini 2140 地デジ中のCPU占有率

SSDモデルなので容量的にはTV録画に不向きではあります。

ACアダプタ

ACアダプタ自体は小型だが、毎度ながらACアダプタからその先のケーブルが太い。付属する直挿しプラグを利用した方が良さそう。(今回借りたデモ機には付いてませんでしたが、製品には付いているはず → 付属のウォールマウントアダプター

ACアダプター 質量 ACアダプター サイズ

バッテリー 標準バッテリーの場合

※注意 VistaはSP1をあてないと駆動時間が短くなる可能性があります。

輝度を抑えてWebブラウジングしつつたまに動画見てという使い方で2〜3時間。出張で使ったりするなら、6セルバッテリーが欲しい。

SSD

搭載されているSSDはIntel製。数あるSSDのなかでも安定したパフォーマンスに定評があり、プチフリなども起きないことから人気のSSD。2140の‘サクサク感’は間違いなくSSDによるところが大きい。

SSD CrystalDiskInfo結果

SSD CrystalDiskMark結果1 SSD CrystalDiskMark結果2

BIOS

BIOSは多言語対応しており、日本語表示も可能。FnとCtrlキーの入れ替えも可能。

デバイス設定に「デュアルコアCPU」という項目がありますが、たぶんHyperThreadingによる仮想的なデュアルコア化を指しているんだと思います。物理的に独立したデュアルコアがあるわけではないです。

HP Mini 2140 BIOS1 HP Mini 2140 BIOS2

HP Mini 2140 BIOS3 HP Mini 2140 BIOS4

GPU-Z

Intel 945GME搭載

GPU-Z

CPU-Z

Atom N270搭載。メインメモリは2GB。

CPU-Z
 Mainboard   / Memory   / SPD

消費電力

輝度MAXのアイドル時で13W、輝度最小で10W。省エネの効くLEDバックライトですが、輝度が非常に高いこともあり消費電力も輝度MAXでは高め。

消費電力1 消費電力2

あとがき

デスクトップ用に出回っているAtomデュアルコアを載せて欲しいところですが、Intelがそれを良しとしていないため(たぶん)、代わりにストレージを大幅強化。おかげでCore 2 Duoノートに肉薄、HDDモデルとの比較なら部分的に上回るサクサク感を実現といったところです。ネットブックとしてのパフォーマンスはトップクラス。

ストレージが足を引っ張りにくくなったことで、随所でCPUのパワー不足を感じますが、これでCPUパワーも増強されればCore 2 Duoの立場がないですね。存在しませんが、本機のCULV版(※)も見てみたいところです。

※ IntelがCore 2 DuoとAtomの間を埋めるべく出した低価格Core 2 Duo。参照

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