2007年3月 密かなメジャーモデル LESANCE CL706GW-C2D-GT

2007-3-15 第2版 文脈が読みにくいところなど、文章を多少変更。

ao.gif Lesance CL706GW 

台湾大手Clevo社の「M570U」をベースにするパソコン工房のオリジナルブランド。
2007年3月現在、モバイルGPU最速の「GeForce Go 7950 GTX」を搭載しています。
  ⇒ Lesance CL706GW-C2D-GTicon

cl706_44.jpg

GPU
CPU
チップセット
メモリ
HDD
液晶
光学ドライブ

GeForce Go 7950 GTX (512MB)
Core 2 Duo T7200 (2.0Ghz)
Intel 945PM
DDR2 PC2-4200 2GB
Hitachi HTS541210H9SA00 (5400rpm)
不明
PIONEER DVR-K16RS

 → 【Everest Ultimate 2006 TRIAL 分析結果】

cl706_50.jpg サイズはInspiron 9400よりさらに一回り大きい!

Inspiron 9400も同じく17型なのですが、液晶の対角を測ってみると、あれ? ちょっとだけCL706GWの方が大きい!? 同じ「17型」でも微妙にサイズが違うことがあるんですね...

 

ao.gif デザイン

ヘアライン加工された天板が美しい。以前使っていたHeliosProとは別次元です。ただ、パームレスト手前のコントロールパネルなどはなかった方が良かった気が。どことなく洗練されきれず、古さを感じるデザインでもあります。

cl706_43.jpg
すっきりした印象の天板

 

cl706_39.jpg
表面はヘアライン加工が施されている

cl706_42.jpg この辺は安っぽいラジカセのようで、残念。 

 

ao.gif 液晶

WUXGAと高精細なパネルですが、輝度は高く、写真閲覧などは解像度の低いdynabook TXWよりも綺麗に映しだします。これまで使ったClevoノートの中で間違いなく最高品質。ただ、他のノート較べると若干ですが、発色が赤みがかっている気がします。視野角はInspiron 9400、dynabook TXWなどと同等レベル。

※注意
 

以下写真はデジカメで、厳密なセッティングなしに撮ったものです。
見た目そのままを映しているものではなく、参考程度にとらえてください。

cl706_36.jpg
cl706_37.jpg
  cl706_55.jpg

  cl706_56.jpg
 ※注 この一枚のみ18時ごろに撮影したため、外光がオレンジのカーテンごしに入ってきてしまっています。

 

ao.gif 液晶 輝度

例のごとく、MASTECH激安測定器による輝度の測定結果を書いておきます。フル輝度設定で測定し、単位はLUX。ちゃんとしたデータではないので、これも参考程度にみてください。

 

Lesance CL706

Inspiron 9400

Pavilion dv6200

dynabook AW6

dynabook TXW

デル 2405 FPW

部位

56

60

58

58

56

60

78

73

87

48

50

48

52

52

50

68

67

65

51

56

53

54

62

54

58

56

58

41

45

45

49

53

51

66

65

70

45

48

45

56

60

56

60

63

61

214

216

199

217

224

206

193

207

186

平均

65.1

55.6

55.8

53.9

54.9

206.9

歴代ノートの測定結果も並べてみましたが、Lesance CL706の輝度印象と合致する結果です。
一番右端は単体の液晶製品。やはり桁外れに明るいですね。ちなみにブラウン管のテレビなどは300LUXを軽く超えてきます。

輝度は暗いよりはもちろん明るい方が良く、輝度がありすぎても困る事もないですが、通常の使用時は明るすぎると見にくいので、多少輝度を下げて使うことになります。上記のどのノートも普段使う分には、暗いという印象は無かったことを付け加えておきます。

 

ao.gif 内蔵カードリーダー性能

PQI 2GB SDカード「QSD15-2G」を使用して測定。遅いです。200MBのファイル書き込みが50.74秒、読み込みが25.71秒。エレコムSDHCカードは読めませんでした。

cl706_41.gif

cl706_54.jpg カードスロットはゴムカバーが付いている 無くしそうです

  

ao.gif おまけのカバン、付属品

かばんが付いてくるというのは既にユーザーさんからの報告で知っていましたが、完璧に同梱されてくるんですね(^^; 届いた箱をあけると、マニュアル類の姿は見えず、本体とカバンしか入ってません。

cl706_32.jpg cl706_30.jpg さすがのピッタリサイズ

cl706_31.jpg 付属品や説明書が無い...

cl706_28.jpg cl706_29.jpg ポケットの中に

cl706_35.jpg 紙&電子マニュアル、nero OEM SUITE、PawerDVD、ドライバ集

 

ao.gif バッテリーとACアダプタ

ACアダプタは当然ながら巨大です。総重量で1kg近くあるので、持ち運ぶ際は+1kgです。

cl706_20.jpg cl706_17.jpg この差し込み口はルーズ

cl706_19.jpg
ACアダプタのみ
総質量 707g

 

cl706_18.jpg
変換ケーブル込み
総質量 875g

 

ao.gif 完全日本語版マニュアル

予想外に感心したのは、この日本語マニュアル。大手メーカー品に慣れている方は「当たり前じゃないか」と思うかもしれませんが、ショップブランドでこれだけちゃんとした日本語マニュアルが付いているのは凄いことです。文章もよくある妙な日本語ではなく、ネイティブの人がきっちり訳しています。

cl706_33.jpg cl706_34.jpg

マニュアルだけ取れば、デルより充実しているかもしれませんね。

 

ao.gif キーボード

テンキー付き。とりあえず打ち間違えます。矢印キーを打つつもりがテンキーを押してしまったり、DELやBackSpaceを打とうとして、ついテンキーの方を触ってしまいます。

cl706_57.jpg

cl706_58.jpg そんな中でも格段に打ちにくいのが右CTRLキー

ファンタジーアースでは左CTRLで代替えの効かない必須キーなので、これにはまいりました。

ちなみ、タッチパッド中央のボタンは使えないっぽいです。
ドライバを捜し出して入れないとダメなのか。

 

ao.gif 静粛性

ここが「この機種を買いますか?」と問われると足踏みしてしまう最大のポイントです。
蹴茶の静粛性へのこだわりは人より厳しいようですが、その蹴茶からみると静粛性は非常に低い。

うるさいのは小径のファンB。ファンAと音量的には同じ60dBA前後なのですが、ファンの口径が約3cmと小さいことから高い音が発生し、どうにも耳障りです。

cl706_23.jpg cl706_25.jpg

裏蓋を開けてみると、大口径のファンAがCPUとGPUからヒートレーンで運ばれてくる熱を大きなヒートシンクで放熱しているようです。じゃあ、ファンBは何をしているのかというと、おそらくメモリ、HDDなどの冷却を担っていそうです。ファンBを横から覗き込むと、吹き出し口はメモリスロットの側にあり、そこからHDD、チップセット上を通り、パームレスト下部のスリットから排気されているように見えます。

cl706_26.jpg cl706_27.jpg

どうにかおとなしくできないものかと、GPUやCPUのパフォーマンスを落としてみたのですが、あまり関係なさそうです。おそらくメモリとHDD、どちらかの温度がネックになっているような気がします。

完全にアイドル状態で放置するとファンBも停止するのですが、CPUやGPUに負荷をかけない使い方でも回ってしまうのはやっかいですね。

cl706_16.jpg
ファンA 60dBA前後

 

cl706_15.jpg
ファンB 60dBA前後

 

ao.gif メモリースロット

メモリースロットへは大量のネジでとめられている裏蓋を外さなければ、アクセス不可です。取り付けられていたのは「SDX533-1G」。型番から検索するとアイオーデータ製が出てきましたが、アイオー製なのかな。
(レビュー機ではこれでしたが、このモジュールでないことももちろんあり得ます)

cl706_22.jpg cl706_21.jpg

ここで些細なことですが、ミス発見。メモリーモジュールの右端がはまっていません。端子はささっているので、エラーも起きず大きな問題にはなりまんでしたが、持ち運び時の衝撃でモジュールが外れ、問題に繋がる可能性もあります。品質問題の起きやすいショップブランドだけに、その評判を覆すためにも仕上がりの最終チェックを念入りに行って欲しいところです。

cl706_45.jpg 差し直すとパチンとはまりました

 

ao.gif HDD

さすがベアボーンクラス。HDDへのアクセスもいとも簡単です。
多少、つっかえますが、端子の反対側を斜めに持ち上げるとうまくいきます。

cl706_52.jpg cl706_53.jpg

 

ao.gif GPU MXMモジュール

黄金色の銅製と思われる冷却パーツに覆われたMXMモジュール。表面に貼られたシールには、G71M-UUとGeForce Go 7950 GTXのコードネームと思われる型番が書かれています。

cl706_47.jpg G71M-UU/V1.0

 

ao.gif 最小プリインストールソフト

これはショップブランドならでは。非常にプリインストールソフトが少なく、素のWindowsを提供してくれます。蹴茶のあまり好きでないRealtekドライバーが入ってますが、それ以外は極めてクリーンな状態です。ライトユーザーにとっては短所ですが、ヘビーユーザーにとっては長所となりそうです。

アプリケーションの追加と削除 画面
cl706_48.gif
わずかこれだけです。FE ZEROとRivaTunerはあとから入れました
メーカー製に慣れているとビックリするような少なさです

 

スタートアップアプリ
cl706_49.gif
ForceWareを入れ替えたあとなので、
多少増えているかもしれません

ライティングソフトすら、入っていませんでした(笑) (CD-ROMでneroが付属)

 

ao.gif ベンチマーク

ベンチマークはGeForce Go 7950 GTXさすがのスコアです。
ドライバにMobileForce M4 Enhancedを使っていますが、大きな差は出ていません。

cl706_11.gif
3DMark06
 

 

cl706_12.gif
3DMark05
 

cl706_13.gif
3DMark03

 

cl706_14.jpg
FF11 ver.3

 

ao.gif ゲーム体感

1キャラあたりのポリゴン数は少ないため、負荷が軽そうに見えるファンタジーアースZEROですが、1戦場あたり100人ものプレイヤーが集まり、魔法やスキルのエフェクトもガンガンかかるため、かなり重いゲームです。
 → ファンタジーアースZERO公式

普段はInspiron 9400の「GeForce Go 7800」でプレイしていますが、今回解像度1600×1200、Windowモード、水面への映り込みあり、テクスチャ解像度は[普通]、など特に設定を落とすことなく、GeForce Go 7950 GTXでプレイしてみたところ、体感で違いを感じます。

cl706_44.jpg

いきなりのキャラ選択画面や、5大陸マップ画面で早くもGeForce Go 7800との違いがわかります。シュパシュパ動きます。

 

ao.gif その他

cl706_40.jpg 片手でヒンジは開けません。筐体全体が持ち上がります。

cl706_51.jpg 台湾製おなじみのUSB問題。この個体もUSBポートが固い(^^;

 

ao.gif ショップブランドで買うリスク

最後にもうひとつ。パソコン工房をはじめとするショップブランドPCを買う場合、受けられるサポートはNECや富士通など、大手メーカーの手厚いサポートとは異質であると思った方が良いです。ショップブランドを低コストで使いこなすには、ある程度問題の切り分けができるスキルが必要といえるかもしれません。
 実例はこっち → 蹴茶 サポート(評判)掲示板

 

ao.gif まとめ

3D性能

評価 5

 

これはもう不満無しです。GeForce Go 7800と較べても、明らかな差を感じます

液晶

評価 4

 

発色が微妙に悪いこと、映り込みはマイナスですが、輝度は高く、Clevo史上最強です

キーボード

評価 2

 

右CTRLキーが小さいのが非常に難儀 またテンキーの存在に慣れるまでが大変

騒音・ノイズ

評価 2

 

昔のPen4搭載HeliosProほどではないものの、騒音Clevoは以前として健在です

筐体の質感

評価 3

 

天板やしぼ加工のパームレストなどは剥げにくそうです

発熱処理

評価 5

 

うるさいだけに優秀。パームレスト部もしぼ加工され、冷たくない程度にしか熱は感じません

総合評価

評価 3

 

タフな3D性能はやはり心強い限り。ただ騒音を重視する蹴茶としては、圧倒的な性能を差し引いてもあのファン音は相当なネックです。ノイズキャンセリングヘッドフォンなどと組み合わせるといいかもしれませんが、静音派の人には受け入れられないモデルといえます。

HeliosPro時代のCLEVOとは別格の出来です。アメリカをはじめ、全世界的に人気なのも納得できます。特にこれまで台湾系の弱点とされてきた液晶の改善ぶりにはビックリです。ユーザーさんが口を揃えて「綺麗」というだけはあります。国内メーカー品を超越とまではいきませんが、肩を並べる画質ですね。

現時点では騒音を気にしない、という条件付きですが、コストパフォーマンスの優秀、かつ素のWindowsが手に入るノートとして選択肢に入ってくるでしょう。

この次期モデルも非常に気になります。CLEVOがさらに静粛性など細かな品質をあげてくるのか、はたまた品質を放置してでもローコスト路線を維持していくのか、興味あるところです。

◆ 評価ランクの指標 ver.2

旧採点法

評価 5 小さな不満が1〜2 名機レベル

90-100点

評価 4 小さな不満が3〜4 並みより上

80-89点

評価 3 大きな不満が1 まぁこんなもの

70-79点

評価 2 大きな不満が2〜3 失敗した買い物

50-69点

評価 1 不満だらけ 近日中に処分予定

0-49点

「価格を考えれば納得」といったコストパフォーマンスの良さが
認められる場合は通常の評価から1ランク程度アップさせます

 ⇒ Lesance CL706GW-C2D-GT icon

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