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HDD寡占で価格上昇、東芝ウハウハ SSDはHDDの1割超へ
恒例のHDD協会セミナーレポ来ました。→ 【イベントレポート】日本HDD協会2013年1月セミナーレポート ~HDD価格はタイ洪水以前の水準に戻らず、HDD出荷台数は2年連続で減少
・ HDD出荷台数はまさかの 2年連続のマイナス成長(史上初では)
・ 寡占化により 高値維持
・ HDDメーカーは利益率大幅アップ、業績は絶好調
・ Seagateは売り上げの25%強が利益
IDCによる2013年出荷予測
・ HDD 6億3440万台
・ SSD 6850万台(HDD出荷台数の約10.8%)
需要減っても価格が下がらない
寡占のテンプレみたいな年です。
アナリストの予測外れる
2013年はSSDの出荷台数がHDDの1割を超えるとの予測。
アナリストの昨年予測とはまったく異なります。
馬籠氏の予測では、2012年のPC市場でSSDの採用率は4.6%にとどまる。またPC以外の用途を含めても、SSDの出荷台数は2013年でもHDD出荷台数の 6.8% にしかならない。出荷台数ではSSDとHDDでは圧倒的な差がついたままだろう。
→ 【PC Watch】 日本HDD協会2011年1月セミナーレポート ~7億台に達する2011年のHDD市場
iPadの容量毎の売れ行き動向など、クラウドの浸透がエンドユーザーレベルでも進んでいる事が見えてましたので、「SSDで十分」の浸透も妥当かと。
デジカメやビデオカムの代わりにスマホで撮影し、そのデータをどうするかといえば、HDDに移さずクラウド保管。そんなユーザーが増えるとローカルHDDへの需要はさらに小さくなるかもしれません(サーバー側が増大しますが)。
関連
→ 蹴茶: iPadは世代が新しくなるほど、低容量モデルへ人気がシフト [2012.4.15]
→ 蹴茶: 2年以内にモバイル用HDDの半数がハイブリッドに - 東芝予測 [2013.1.16]
滑り込んだ東芝
寡占により、WesterDigitalとSeagateがウハウハ状態ですが、もう1社ウハウハしている会社があります。
東芝 です。
昨年、WDが独禁法回避のために売りに出した3.5インチの製造設備を取得。
2社寡占の3.5インチ市場へ滑り込むことに成功しています。
(欧州委員会は)要するに「3.5インチのライバルをもう1社作れ」ということなんでしょうね。 Seagateはシェアが高いので買い手にはなれないでしょうし、実質的に現行プレイヤーで買えるのは東芝のみ。ファンドに売却する手もあるでしょうが、同業他社と競り合わないで済むのは東芝にとって絶好のチャンスです。
→ 蹴茶: 東芝、WesternDigitalから3.5インチHDD製造設備を取得 [2012.2.29]
先日の決算資料でもストレージが牽引役になってきています。
セミコンダクター&ストレージ部門は利益拡大傾向。
内訳ではストレージが伸張。
WDやSeagateと同様、利益率も上がってるでしょうね。
出典: 2012年度 第3四半期決算
今後、東芝が3.5インチドライブの流通に本腰を入れるにつれて、業績への貢献も大きくなっていきそうです。
現状は欧州委員会が恐れていた通りの寡占状態ですので、逆に東芝が頑張らないと今度はカルテル疑惑がかけられるかもしれませんね。