→ PC Watchのリリース記事
⇒ dynabook WXW 79GW SSDモデルもあり
国内メーカーでは最も積極的に3D性能強化モデルを出してきている東芝。今夏もGeForceシリーズの最上位にあたるGeForce 9800M GTX(SP数 112基)を搭載したWXW/79GWを出してきました。
こちらも参考に → Qosmio WXW/77GW レビュー
評価 | ○ 良い点 × 気になった点 □ プラスでもマイナスでもないコメント | |
筐体 | 77GWと一緒です。 | |
キーボード | 個体差なんでしょうか。カーソルキー周辺の例のたわみが77GWより少ない | |
排熱 | ハイエンドGPUを載せている割には余裕冷却の様子。冷却ファン×2の効果か | |
液晶 | ハードウェアIDも77GWと一緒です。やや暗め |
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騒音 | 音量としては小さくないものの、77GWよりおとなしい音に聞こえる |
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ソフトウェア | 77GWと一緒です。 | |
3D性能 | 他モデルと較べれば性能は高いものの、CrysisをFPS 30オーバーで動かすレベルには至らず | |
総合 | 3.0 /5 | 下位の77GWよりはずっと高い3D性能ですが、最上位である「GTX」の名前をつけながら、位置づけで2段下の「GTS」に肩を並べられてしまう性能に留まってしまったのが難点。続きは最後のまとめにて。良いところは表面温度が低いことと、音の良さ。この2点はGateway P-7812jFXに勝てます。 |
GPU | GeForce 9800M GTX (GDDR3 1024MB) |
CPU | Core 2 Duo T9400 2.53Ghz |
メモリ | 2GB DDR3-8500 (1GB + 1GB) |
HDD | SSD 64GB THNS064GE4BBDC+HDD 160GB HTS722016K9SA00 |
ODD | DVD-R 8倍速 HL-DT-ST DVDRAM GSA-T50N |
たわむ傾向は変わらないですが、前回レビューをした77GWと較べるとたわみがマシになっています。個体差でしょうか。
同じパネルです。輝度はやはり高くはないです。
冷却ファンが2基に増えているように見えます。2基の合計として音量は大きいものの、ぼやけた音で、頻繁に回転数可変で回るGateway P-7812jFXと較べると耳障りさはだいぶ少ないです。
冷却能力は余裕があり、高負荷時で60dBA中盤。
ハイエンドGPU搭載ノートとしては優秀。3DMark06中でMAX 74度。キーボードはわずかに熱があがってきますが、パームレストは熱くなることはなく快適です。
GPU温度は通常上がっても80度台ですが、室温26度でモンハンをループさせていると94度を記録。描画自体は問題は無かったです。
電源容量は180W。
消費電力は工場出荷そのままの状態でアイドル時は47W〜50W。3DMark06実行中はMAX 115W。
デフォルトのままでは上記の通りですが、nTuneでGPUクロックをいじりベンチを回すと、何かのスイッチが入るのかPowerMizerが効き始めます。結果アイドル時のクロックが下がり、画面の輝度最小で30Wまで落ちます。
PowerMizer自体は最初から効いているべきものですが、バグなんでしょうか。
77GWより若干少ないです。
目玉パーツのSSD。随所にHDDと違うレスポンスを感じますが、mtronのSLC型ほどは違わないです。MLC型ということもあり、HDDよりもたつくシーンも見受けられます。
まずゲームのローディングはやたら速くなります。体感的には半分くらいに短縮されます。一方で、アプリケーションのインストール時間は間延びします。
※と思いましたが、例数が2件だけですが動画を撮ってみると同等か若干速い結果に。
設定は購入時のまま何も変えず。
SSDがCドライブになっているので、なるべくインストールはEドライブに行うことになります。Dドライブが極小容量になって使えないですが、パーティションツールを使わなくてもリカバリーする時にCドライブにある程度吸収可能(41.1GB → 51.4GB)です。
起動時に「0」長押しでリカバリー
購入したままの状態と、Forceware更新後、クロック変更後の結果などをGatewayとdynabook WXW/79GWで比較しています。
※ 解像度についてはRivaTuneで無理矢理揃えることができますが、実際はセットされていない解像度以外を使うことは稀でしょうし、今回は初期設定の範囲で比較しています。
結果はグラフの通りで、GeForce 9800M GTSに肉薄される結果となっています。
NVIDIAビデオドライバ「Forceware」のバージョン177.92導入後の変化。
主な効果を上げるとすれば、GeForce 9800M GTXの3DMark値が上がったこと。3DMark05などは逆に下がっており、上下してもほんのわずかな差のため、描画バグの解消目的でもなければ導入する意味合いは薄そうです。
次は実際のゲームでのFPS。WXW/79GWの解像度は1680×1050(WSXGA+)ですが、GatewayがゲームでWSXGA+を選べなかったので、近似の1600×1024や1600×1200を使って計測してます。
Call of Duty 4 デモ版をプレイ。スタートからクリアまでを計測。設定は何もいじらずそのままですが、Gatewayと同じ設定になっています。
WXGA+(1440×900)だとほぼ全編を通してFPS 30オーバーを達成。WSXGA+(1680×1050)では時折30以下になりますが、シングルプレイなら大きな問題にはならないと思います。
FPSの向上が見られます。
Crysisは相変わらず重いです。
FPS 30をキープしようと思えば、さらに解像度を下げる必要があります。
計測は最初の敵兵との遭遇直前のセーブポイントから、異星人との遭遇イベント、そのあとの敵兵との遭遇までです。
9800M GTSも同じ
これもdynabook WXWとGatewayで解像度は統一できていないので、単純な比較ではないです。ただ傾向としてSP数で勝るdynabook WXW/79GWが優勢になり、3DMark06の結果を大きくしたような結果になっています。ベンチ起動後何回かはスコアがやや不安定です。
DirectX10モードでは起動してもフルスクリーンを維持できず、ベンチ自体が走らず。
DirectX9.0c
Forceware 177.92導入後、無事動いたのでDirectX10で再計測。以下の結果に。
DirectX10.0
※注意
一度でもオーバークロックをすると保証対象外となります。クロックを元に戻したからといって、その後の故障がオーバークロックと関係ないとは言い切れません。非常に高いリスクを伴う行為ですのでご注意ください。
結構上がるG94コア(GeForce 9800M GTX)と較べると、ダイサイズが大きいことが影響しているのかG92のオーバークロック耐性は無いに等しいです。3DMark06は完走してもゲームでは落ちるなど、ほとんどオーバークロックする意味は無いです。
コア 595Mhz / メモリ 850Mhz
デフォルトだとデスクトップ向けのGeForceのように常に最大クロックで動いています。PowerMizerが効いてない? ただForceware 177.92導入後、クロックが可変になりPowerMizerのスイッチが入ったようです。
Forceware 177.92導入後。GPUコア温度も下がっています。
GPU-Zより高めに出るようです
CPU-Z結果。
ストレージはSSDパワー炸裂で5.8をマーク。SLCならば最高値の5.9だったかも。
東芝から新しいグラフィックドライバが公開されました。
再度東芝より79GWをお借りしたので、新ドライバの効果を見ていきます。
→ dynabook Qosmio WXW/7*GW NVIDIA社製ディスプレイドライバのアップデート
いつものように3回計測の平均値で、更新前と比較しています。
3DMarkスコア、FF11は微増。モンスターハンターフロンティベンチは微減。
大きく変わるわけではないですが、とりあえず入れておいて問題ないでしょう。
次に実際のゲームプレイでのFPS変化。crysisでは多少FPSの向上が見られますが、違いがわかるほどではないです。
DirectX10でフルスクリーン動作しなかったデビルメイクライベンチも無事フルスクリーンで動作。デモ版の方は試さず。
メーカー公認のグラフィックドライバは動作確認のためのコストがかかるため、おざなりにされがちな部分ですが、ゲーマーの支持を得たいならばドライバ更新は手を抜かず後々までサポートして欲しいところです。
NVIDIAの製品順位は「GTX」、「GT」、「GTS」の順のはず。
ところが79GWの結果はそうとは思えない結果に。ちょっと整理してみます。
デスクトップ向けGeForceのNVIDIA基準クロックは
9800M GTS(G94)に相当する 9600 GTが 650Mhz。
9800M GTX(G92)に相当する 9800 GTが 600Mhz。
9800 GTは元々65nmプロセスという半導体製造技術で作られていますが、08年の夏頃からより微細で新しい55nmプロセスで作られたものが混じりはじめています。55nmの方が同じクロックでも発熱量が少なく性能が上げやすいのが特徴です。
9800 GTのように65nm、55nmが混在する製品もありますが、9800 GTX+(SPx128, 738Mhz)は55nm製造と言われ、NVIDIA公式仕様も65nmの9800 GTXとは明確に異なります。(ただ9800 GTX+にも65nm混在の噂はある)
コアクロックを並べ表にしてみると、
デスクトップ | クロック比 | モバイル | ||
9600 GT(65nm ※1) | 650Mhz | 92% | 600Mhz | 9800M GTS(不明) |
9800 GT (65nm) | 600Mhz | 83% | 500Mhz | 9800M GTX(65nmなら) |
9800 GTX+ (55nm) | 738Mhz | 67% | 500Mhz | 9800M GTX(55nmなら) |
基本的にノートでは排熱が難しいこともあり、デスクトップより低いクロックで熱を抑えます。
9800M GTSのクロックはデスクトップ版から10%も落ちておらず、かなり高い設定です。一方のGTXは55nmコアだとすると 128基 738Mhz→112基 500Mhzとなり抑えすぎのように見えます。65nmの 8800M GTXでも500Mhzなので、65nmのままでも 112基 500Mhzは達成できるレベルです。
推測ですがNVIDIAは当初 9800M GTXを 55nmで 600Mhz程度を出すつもりだったのが、何らかの理由で間に合わず65nmを使用。結果クロックもベンチスコアも公開することなく、GTSに肉薄されるというヒエラルキー崩壊状態になったのではないかと。55nmプロセス製造の可能性もありますが、その辺は分解でもしないとわからないです。
東芝にも性能について聞いてみましたが、東芝にGTSモデルが無いためかここまで僅差だとは把握していなかったっぽいです。NVIDIAのさらなる商品説明が欲しいところです。価格差も大きいGTXとGTSの性能の違いについて説明できないのなら、将来明確に性能差の出るGPUに換装してくれるなどのフォローが欲しいところです。
参考URL
→ 4Gamer.net: 55nm版GeForce 9800 GTを試す 65nm版比で20W弱という消費電力の低減
→ The AMD's Cafe:秘かに9600 GTにも55nmが追加みたい
→ PC Watch: NVIDIA初の55nmプロセス製品となった「GeForce 9800 GTX+」
⇒ dynabook WXW 79GW 東芝ダイレクト