→ PC Watchのリリース記事
⇒ Pavilion dv5/CT
価格攻勢を強めるhpは今秋単体GPUを載せたゲームノートを一新。10万円前半で勝負をかける。
今回評価したのは残念ながら先行機で、製品として流通しているロットではないそうです。排熱の項目で詳細を書いていますが、製品版では仕様が違うということでレビューとしては中途半端なものになっています。
評価 | ○ 良い点 × 気になった点 □ プラスでもマイナスでもないコメント | |
筐体 | ○ 細部までこだわったデザイン × デザイン優先で実用性が犠牲になっている部分がある |
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キーボード | ○ カチッとしたキータッチは打っていて楽しい、でも配置で打ち間違える × ファンクションが数字キーに密着し、Enter右隣も隙間無く配置されている |
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排熱 | (× 無茶苦茶に熱い。オーバーヒートの可能性もあり。ただし製品版では改善しているとのこと。製品版の貸し出しは叶わず、実態に関しては不明。) | |
液晶 | ○ 高解像度で変な発色もなし |
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騒音 | ○ 排気口が奥まった所にある分、篭もった音に聞こえる
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ソフトウェア | × 総数は国内メーカーより少ないがノートン、AOLツールバー、JWORDとcrapwareが一通り入っている。HP謹製のQuickPlayも邪魔に思う人は多いかも | |
3D性能 | × 3D性能が安定しないので、低い評価に。突然コマ落ちするようなことになるとやっかい | |
総合 | 3.0 /5 | 排熱と3D性能の項目で、どちらも熱が原因ということでかぶっている面がありますが、ゲーム動作、快適性両方に影響ある問題なので仕方ないですね。HP曰くレビュー機のみの問題ということなので、製品版での評価は不明です。 |
GPU | GeForce 9600M GT (DDR2 512MB) |
CPU | Core 2 Duo T9400 2.53Ghz (Penryn) |
メモリ | 4GB DDR2-6400 (2GB + 2GB) |
HDD | 250GB 5400rpm MH2250BH G2 |
ODD | Sony NEC Optiarc BD-ROM BC-5500S |
今回から新世代筐体「Corlab」となっています。これまでの「NGID」よりもさらにデザイン性が重視された筐体です。新旧の比較写真など詳細はこちらを。
天板デザインがこれまでの息吹や雪景から一転してチェック柄のような地味な柄になっていますが、将来的にはまた凝った天板を出す意向もあるそうです。まだ未定らしいですが。ヒンジは堅く片手オープンは不可。最近はどのメーカーもヒンジが固い。
パームレスト高は別段気にする高さでもないので、測ってません。
天板のHPロゴは電源オン時に点灯するのですが、飾りだけでなくちゃんとスリープに入っているかどうかの確認に便利だったりします。色々インストールするとスリープが失敗しやすくなったりしますからね。↓下の写真に写っている柄は、部屋のカーテン柄が映り込んだものです。
パームレストにトラブル時の連絡先が貼られています。便利な配慮だと思いますが、ちょっとでかすぎるので剥がしたくなります。
東芝のように切手サイズの方が剥がさずに置いておけます。サポートセンターの場所はデル(中国大連と宮崎)と同じく中国の可能性が高いです。
PCI ExpressCardスロットはダミーカード式。
ヒンジが裏に回りこむタイプのため背面は何も無し。USBは左右に2つずつ、光学ドライブは右手側手前にあります。電源コネクタは右奥。排気口は背面の右下に隠れるように開いています。
前面
背面
右側面
左側面
謎のブルーのゴムが四方に付いています。特に意味はないのかもしれませんが、これが何なのか問い合わせ中。
で、回答が返ってきました。3M製の衝撃吸収素材だそうです。
Let'snote説明会でPanasonicの開発者の方が「HDDを支えるダンパーがノウハウの塊です」と仰ってましたが、コストのかかる自社開発をせず、餅は餅屋で素材メーカーからあっさり外部調達するあたりが外資系らしいです。良い悪いではなく戦略の問題ですね。
→ Let'snote 2008年夏モデル発表会
あと加速度センサーも付いています。一度加速を関知するとしばらくヘッドを退避させ、続けて起こる可能性の高いショックに備えます。退避時は左手前のLEDが点灯。
タッチは他社と較べて格段にいいです。店頭で打ち較べてみればわかりますが、たわみは非常に少なくカチッとした打ち心地は好印象です。一方でキー配置は相変わらず慣れないと打ち間違いやすい配置です。PageUPやHomeキーが独立しているのはいいのですが、ファンクションも数字キーに密着してますし、Enter右隣もほとんど隙間なく配置されています。
同時押し最大キー数 調査漏れで不明 (PianoBoradで調査、Gamer's Gadget Memo参考)
タッチパッド
感度は全く問題無いです。問題はあまりに滑らない表面。指が滑らないことにストレスを感じます。dynabook WXWのタッチパッドはスルスル滑る使いやすさがあった代わりに感度に不安定さを少し感じましたが、dv5は逆です。タッチパッドだけで細かい作業するのは他のノート以上に大変ですね。
dynabook FXWとうって変わって、中高音が強い。クリアに聞こえる反面、銃撃戦などではキンキンと耳障りな音になってしまいます。ゲームには低音重視のスピーカーの方がいいですね。ロジクール V20など簡易スピーカーの使用をお薦めします。
あと音量調節のタッチパネルですが、非常に操作性が悪いです。レビュー機ではなぜか音量が最後まで下げきらず、途中で引っかかってしまいます。結局、タスクバーのスピーカーアイコンで調節するはめに。
WSXGA+で広々としています。仕事に使うならこの広さは何よりの利点です。ほとんどゲームだけとか、たいていフルスクリーンで作業するという人にはフォントの小ささが気になるかもしれませんが、個人的にはこのぐらいが好きです。
テレビ向けのパネルも多く高輝度のものが多いWXGA液晶と比べると、本機のWSXGA+パネルは輝度が低いため、店頭など明るい環境では見映えが悪いです。ただ室内で使う分には輝度の低さはあまり問題にはならないように思います。視野角は普通。
※ 写真は参考程度に
輝度 (※写真写りと数値は一致しません)
上端の隅は輝度がかなり落ちます。
65 | 66 | 66 |
68 | 74 | 68 |
67 | 74 | 67 |
輝度MAXで黒画像をフルスクリーン表示。簡易計測では測定限界以下の10LUX。目立った黒浮きはないですね。
黒画像をフルスクリーン表示
冷却ファンは常時回るようです。ファン音の最大値は60dBA後半。70dBAを超えるほどの爆音ではないですが大きな音です。音質は排気口の位置のせいか、やや篭もった音に聞こえます。
ここがdv5(貸出機)の問題点です。
体感でもパームレストの温度が低温火傷しそうな温度になるのも特記事項ですが、3DMark05の3回連続測定で出たスコアが7974、7438、7315という妙な変化が。通常でも多少誤差は出ますが、誤差というには差が大きいので、普段はレビュー行程にないコア温度の測定を行ってみました。
まずCPUの測定から。Core Tempを使いました。環境はエアコン無しの室内 26度。
(これらユーティリティはコア内部の温度計を使っていますが、必ず正しいとは限りません)
続いてGPU温度。GPUはRivaTunerとGPU-Zを使いました。
緑の線はシェーダークロックで、右軸をみてください。省電力機構の「PowerMizer」によって負荷の無いときは低クロックで、ベンチマークがはじまるとクロックが500Mhzに上昇し、コア温度も急上昇している様子がわかります。何度かクロックが急落していますが、ベンチマーク間の切れ目、もしくは熱によるクロック制限などが考えられます。次にGPU-ZでのGPU温度。
アイドル時
ベンチマーク終了直後
RivaTunerを信じるならGPUコア温度は100度を超えています。もともとノートのGPUは高温になることが多く、他社モデルでも80度台程度はよく見かけます。ただ100度オーバーは初めて見ました。製品版でも同じなのかヒューレットパッカードに問い合わせたところ、
「この熱問題はヒューストンの製品本部でも認知しており、CPU/GPUの冷却装置(ヒートパイプ)の形状・素材・取り付け方法および ヒートパイプとCPU/GPUと接続部分(サーマルパッド)の素材を変更しており問題はございません。」
との回答。それなら製品機も貸して欲しいとお願いしたところ、製品機の貸し出しはできないらしく真相は謎です。もし製品機をお持ちの方がおられたら、RivaTunerで3DMark05測定時の温度データを取ってもらえないでしょうか。
表面温度
消費電力 ゲーム中63W
プリインストール一覧
セキュリティソフトはノートン。2009ではないです。ブラウザ周りではJWord、AOLツールバーが組み込まれています。IrfanViewは後から入れたものです。
起動時にユーザー登録窓が出るノートン。登録するかキャンセルの二択で、キャンセルしてもまた次の起動時に出てきます。アンインストールすれば消えますが、使わないという選択肢も用意して欲しいものですね。
安定したスコアが出なかったのであてになりませんが、参考値として測った分は書いておきます。順番は3DMark06を計測後、3DMark05を測っています。製品版では冷却機構が強化されているため、同じような結果が出ない可能性があります。
3DMark06 4025、4016、4014、4018
3DMark05 7974、7438、7315、7159 ‥(少し休憩)‥ 7706 ‥(少し休憩)‥ 7944
3DMark06がdynabook FXWと比較して1割低いのは、動作解像度が違うからだと思います。FXWは3DMark06の規定解像度(1280×1024)に満たないので、1280×800で動いています。
3DMark05は1024×768なので、FXWもdv5も同じ条件です。
FF11は1回だけ測定。これも怪しい。
左がPavilion dv5、右がdynabook FXW。これだけ見るとGPUに問題が生じているように見えます。
FF11ベンチも低いでしょうか。何が原因なのか実態をつかみきれぬままタイムオーバーとなりました。このレビュー機と製品機では冷却機構が違うとの回答をもらっているので、この機体で実態を掴んだところで無意味かもしれませんが。
デモ版の戦車が動けずにいる平原までのプレイです。難易度は「Hardened」。たびたび死んで一旦プレイ画面から抜けるので、その際はFPSが跳ね上がっています。
dynabook WXW/FXWで生じたマウス中ボタンが効かない謎の不具合は発生せず。
WXGAでFPS 30前後とGeForce 9600M GTにしては動作が重いか。
特に問題無し。
GPU-Z 0.2.7を使用。メモリクロックが低く、低コストのDDR2メモリが使われていると思われます。
ちなみに4gamer.netのこのページではデバイスID「10DE-0649」をシュリンクしたコアと書いてありますが、GPU-Z 0.2.7では「10DE-0649」も65nmと診断します。
EISTでクロックは低めで動作中。2GB×2のデュアルチャネル構築。
CPU-Z p2 / CPU-Z p3 / CPU-Z p4
総グラフィックスメモリが多いですが、Vistaから単体GPUでも共有メモリを統合して表示されます。Vistaはメモリを予約するだけで、他で必要になれば解放するのであまり気にしなくて良いはずです。
キータッチは一発で気に入ってしまいました。ただキー配置の癖があり、慣れが求められます。最近はあの配置に慣れた方も増えているので、問題にならない事も多いかな。
誰にでも問題なのは「熱」です。低温火傷する温度にまで達しているので、あれがどうにかならないと難儀です。熱さえクリアになればコストパフォーマンスも高くいいモデルなのですが。さきの2133 Mini-Noteでも熱を取り上げましたが、最近のヒューレットはデザイン優先で熱処理が後回しになっている傾向を感じます。デザイン性を犠牲にしてでも筐体を厚くし、排熱重視と明言している東芝とは対照的です。
無い物ねだりをさせてもらうなら、dynabook FXWのボディにPavilion dv5のWSXGA+液晶を付けたモデルが欲しいですねー
HDDからリカバリ中