2007年夏 LANDISK Home レビュー 快適リビング計画 6

 → 第0回 快適リビング計画 構想編
 → 
第1回 快適リビング計画 機材選び
 → 
第2回 LANDISK Teraは使えるか
 → 
第3回 LANDISK Tera 静粛化計画  
 → 
第4回 DLNA対応テレビ 「REGZA 42Z2000」 レビュー
 → 
第5回 ワイヤレスオーディオ AirMac Express 放置ぎみ
 → 
第6回 LANDISK Home 導入編
 → 
第7回 LANDISK Home 番外編  

【導入編】 最終更新 2007-8-23

以前のNASレビューで、騒音の大きさからイマイチな評価となってしまったLANDISK Tera。
現在もTeraはビジネス向けの派生品が出たりしていますが、今回レビューする機会を得たのは家庭向けとして新たに登場した「LANDISK Home」。筐体が一新され、より個人向けのモデルとなっています。

今回のモデルは直販オリジナルの 500GB モデル。
 ⇒ HDL4-G 3万7800円 (2007-8-22時点)icon
 → ちなみにHDL4-G1の価格(BestGate) ⇒ 楽天

LANDISK Teraと同じく、まず結論から

 

LANDISK Tera

LANDISK Home

 

 

サイズ

 

非常に優秀(Teraの評価を相対的に下げました)

導入のしやすさ

 

非常に優秀

静粛性

××

×

 

やや改善しましたが、未だうるさすぎます。

安定性

 

長期使用にはほど遠い期間ですが、問題無し

操作性

×

 

メニュー画面は一新されています。ただ動作が遅い。

機能

 

iTunes Serverが入ったことで平均的な機能は揃いました

将来性

 

ベアドライブ交換は非常に容易です

総合評価

point2.gif

point3.gif

 

騒音さえクリアできれば、省スペース、機能十分、低価格の非常にいいモデルだと思いますが。

LANDISK Teraと較べて全体的にかなり優れた点が多いです。
Teraが上回る点は「ドライブ換装のしやすさ」程度で、たぶん一般家庭なら無縁の機能でしょう。

ただ騒音だけはTeraより多少良くなったものの、相変わらずうるさく、蹴茶としてはかなり問題です。
大問題1なので、評価基準により星3つとしましたが、騒音が解決できれば4点、その他の操作スピードの改善などを果たしてくれれば、5点満点を付けてもいいぐらいです。

 

ao.gif 【サイズ】 とにかく小さいのいい

LANDISK Teraも「これは小さい」と思ったものですが、Homeはもっともっと小さい。
実質、内蔵されるHDD 4台を重ねたサイズ+ちょいの厚みしかなく、片手で持てるサイズです。

dlna611.jpg
片手で容易に持てるサイズ

内部はこのようになっている。

dlna613.jpg dlna614.jpg

送られてきたのは500GBモデルで、Seagate製7200rpmの250GBドライブ2台で構成されています。
ドライブを1台外し、底をのぞきこむとSATA端子が直接ささるようになっている基盤が見えます。

dlna616.jpg

 

dlna617.jpg

スリットを設けて線を通すなど、結構細かな設計がされている
こういう細かな設計、好きです

 

ao.gif 【改良点】 ACアダプタへの切り替え

小さくなった最大の要因は、ACアダプターの採用です。
LANDISK Teraで騒音をまき散らしていた内蔵電源を追い出したことで、

  1. 筐体内の発熱低下
  2. 若干の低騒音化 (ACアダプタはファンレスなので)
  3. コンパクト化

と、メリットが非常に多い変更です。
デメリットはACアダプタが余分にスペースを取るぐらいですね。

dlna612.jpg
筐体から電源を追い出し、ACアダプターに

 

ao.gif 【操作性】 これもメニュー構造が一新されまとまりよく

まとまりなく分散していたLANDISK Teraの操作画面ですが、Homeではメニュー構造が一新。
より把握しやすくなっています。
 → LANDISK Teraレビュー

見直されたレイアウト

 

前回は上と左に別れていたメニューが、左側に統一。Webでお馴染みのツリー構造になっています。これならわかりやすい。

ツリーで呼び出される右フレーム画面はほぼTeraのものを踏襲しており、この部分は流用しているようです。

ただ、動作がもっさりしているのは相変わらずです。
キビキビできるのならして欲しいところですが、頻繁に触る画面でもないので、キビキビさせることでコストが大幅アップしたり、コントローラーからの発熱が増え冷却ファンの回転数が上がったりするのであえれば、このままでも良いように思います。

 

ao.gif 【静粛性】 なぜに小径のファン×2?

またまたここが蹴茶にとっては最大の問題です。

電源部のファンが無くなった!と多少期待してたのですが、動作音はやや小さくなった程度ですねぇ。
やはりリビングには置けない音がします。

テレビを付けている時はまずまず気にならないのですが、夜テレビを切ってお茶を飲んだり、新聞を読んでたりすると非常に耳障りです。リビング横が寝室だと常時つけてはいられない気がします。消せばいいのですが、REGZA連動で予約録画などすることもあるので、いちいちオンオフするのもかなりやっかいです。

音の犯人は2つの小径シロッコファンと、HDDドライブそのもののスピンドル音のようです。

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空気の流れは、下部の通気口から吸気して、上部背面からの排気となる。

dlna624.jpg dlna623.jpg

どうして小さいファンにしたのか、聞いてみたいところではあります。

特に静圧が求められる設計でもないので、静粛性の高い製品が多いプロペラファンで良かったように思います。天板を全面メッシュ構造にし、天板の直下で直径10cm程度の静音ファンをゆっくり回せば、相当静かなNASになったはずです。

HDDも、「キュイイィィィ」と音を立てて回る7200rpmドライブではなく、静粛性の高い5400rpmで良かったのではないでしょうか。PC内蔵と違い、特にシークタイムが求められるわけでもありません。家庭用であれば、無理に7200rpmでなくても良かったように思います。最近は5400rpmドライブを買ってないのですが、数年前に聞いた時点でも5400rpmは相当静かでした。

※追記
後日、掲示板でご指摘いただいたのですが、現在3.5inch HDDでは5400rpmがほぼ姿を消しています。そのため、仕方なく7200rpmになった可能性も高いようです。となると、あとは7200rpmのなかで静粛性の高いものをさがすのが最善の策でしょうか。

 

ao.gif 【比較】 LANDISK Tera改と比較してみる

LANDISK Homeとの比較のまえに、Teraの現状をお話しておかないといけないのですが、現在Teraはさらなる静粛化対策が施されています。

※ 以下は保証対象外となる作業です。
  アイオーのサポートは受けられなくなりますし、最悪発火の可能性もあるので推奨しません。

dlna625.jpg dlna626.jpg

Teraを分解すると、上記のように騒音の主犯である小径ファンを内蔵する電源ユニット(ENP-2322C)があらわれます。特にハンダで固定されているわけでもないので、これを通常のATX電源で置換。

(電源ユニットENP-2322C内のファン交換も考えましたが、ちと無理っぽいです)

dlna627.jpg dlna628.jpg

これで相当静かになっています。

使っているのはKT2003で破棄されたソルダムブランドの電源ですが、静粛性の高い最近の電源ユニットを使えばもっと静かになるはずです。

それでは、LANDISK Homeとの比較。

dlna622.jpg dlna621.jpg

dlna629.jpg 総体積で較べると、このような感じに。

 

ao.gif 【消費電力】

起動時はTeraで120Wほどの電力を消費。

 

アイドル時

LANDISK Tera 改

52W

LANDISK Home

40-41W

 

ao.gif 【機能】 iTunes Serverをテスト

こちらは全く問題なし。蹴茶がメインとしているシャッフル再生もOKで、快適そのものです。
HomeのiTunesフォルダにAACファイルを移し、LANDISK HomeのメニューからiTunesサーバーのリスト更新を実施すればOK。これでLAN内のPCから再生できるようになります。

dlna632.jpg
何の設定をすることもなく、普通に左ツリーに出現
この手軽さは結構凄いことだと思います

 

dlna630.jpg
完全にローカルデータベースと同じとはいかず、
Cover Flow表示などはグレーアウト

CoverFlowにはできませんが、「ジャンル」、「アーティスト」、「アルバム」の分類ブラウザは出せるので、蹴茶自身は不満無し。プレイリストは使えないっぽい?ので、プレイリスト派の人には問題有り。

dlna631.jpg 通常のNASだと、色々面倒が。解決法あるのかな?

 

ao.gif まとめ

とりあえず、3万円台という価格はかなりインパクトがあります。騒音さえ気にしないのであれば、省スペースで、HDD増設も容易。家庭用NASとして優れたモデルです。 保証を気にしないのであれば、NASベアボーンとしても十分検討の価値がありそうです。

注意点として、東芝REGZAとの連動録画について先代Teraで認識できないケースが発生しています。
REGZA側の問題のような気もしますが、録画運用を考えている方は要注意です。ハブを介さず、ダイレクトにREGZAと繋げば問題ないとの話もあります。
 → REGZAとNAS 価格.comでのケース


 ⇒ LANDISK Home HDL4-G

 

 つづく → 第7回 LANDISK Home レビュー 番外編 

 

ao.gif 大手PCサイト 参考ページ

 PC Watch リリース記事
 清水氏レビュー
 元麻布氏レビュー
 ITMedia 内部写真

 

ao.gif 後記

いっそLANDISKの2.5インチHDDバージョンを出しても良いような。
単純に性能、価格を見れば、2.5インチにする意味などありませんが、本気でNASをリビングに浸透させるのであれば、省スペースかつ低発熱ドライブがそろっている2.5インチはインパクトあります。

3.5インチより価格が高いと言っても、各テレビメーカーが出す増設オプションHDDよりは安いのですから、勝機は十分にありそうです。

あと、AVラックに収まるよう、HDDレコーダー風の横長筐体NASがあってもいいですね。

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